デザイナー・イラストレーターの栗原です。
今回はデザインなどのお仕事をしていると直面する著作権の事を少し書こうと思います。
受注でお仕事をしていると著作権絡みのトラブルは警戒します。
エンドクライアントが大手企業であればコンプライアンスの面もありあまりトラブルに発展しないようですが、エンドが小さめの会社だったり個人経営のお店だったりすると、意外と怖い事に。
素材の提供をお願いすると、ネットで拾ってきた画像を送られてきたりというのは実はよくあることです。
発注側の人、それは絶対NGです!止めてください!
最近では権利者からの訴訟で最終的に百万単位の使用料を請求されたケースもあるんです。
フリーランスのデザイナーはあくまで請負ですので、素材を支給された場合、その出所までは責任を取れません。
かといって、素材の支給がないけれど素材を購入する予算もないからと、デザイナー側が勝手にネットのどこからか引っ張ってくることもできません。
その場合、掲載している企業が権利者から訴えられ、その後そのページを制作した側に信用損失分の上乗せ請求になりかねませんからね。
仮に権利者あるいは企業から損失を請求されなくても、知らずにやっていると今後の信用問題に発展するかも…。
意外と「そのへんで撮った写真載せてるだけの個人ブログ(Twitter)だから…」とブログ(Twitter)主の方も自分の写真に著作権があることを知らない事が多い印象。
でも、著作権というのはどんな写真・どんな文章・どんなイラストにも発生します。当然プログラムソースにも。
もちろん受注でお仕事をしたときにも発生するので、契約書で著作権絡みの項目を入れ込んだりもします。
著作者人格権と混同しているケースも見受けられますね。
ただここは法人著作とするか個人著作とするかという部分もあるので、詳細な著作権・著作者人格権についてはこちらを
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
先日も、大手フリー素材サイトの不正利用がいくつか発覚し、素材サイトの管理人さんが色々と動いている様子を発信しておられました。
フリー素材サイトはとても便利なものですが、だからといって著作権まで放棄しているわけではありません。
どこにも必ず規約がありますので、必ず確認をするようにしてくださいね。
また、世界各国にある「著作権完全放棄(所謂CC0)素材」サイトも、あくまで掲載した人が著作権を放棄していると言っているだけで、実は他の素材サイトや個人ブログ・Twitterなどから勝手に転載しているケースもあるようです。
そう考えるとCC0サイトも怖いものです。
そういったトラブルを無くすためにあえて素材を購入するというのもリスクヘッジの一つ。
今は一枚千円しないで購入できる素材サイトも増えました。
クオリティも価格も高いというサイトですら、せいぜい一万円程度です。
数十枚も買うのでなければ、リスクヘッジとしては安いぐらいかと思いますので、特に発注サイドの方は一度ご検討ください。
次回は肖像権について少し書こうと思います。