NFTの技術的特性は、主に4つある。
1.「固有性」
デジタルデータに関して
<今まで>
・容易に複製や改ざんが可能
・所有者を明確化できない
・価値を持たせることは困難
<NFT>
・ブロックチェーン上に改ざんを防ぐための鑑定書や所有証明書を記録する
・他のデジタルデータと判別することが可能
・固有性を持たせることができる
→固有のデータとしての資産性が生じる
2.「取引可能性」
所有者が明確になり、固有性や資産性を持たせられたら
↓
取引可能
「取引内容は」
・ブロックチェーン上で公開
・誰でも検証が可能
→安全性の高い取引
「取引されるNFT」
・デジタルデータの鑑定書や所有証明書とみなされるメタ情報
※データのリンク先の情報も含まれる
「データそのもの」
・データ容量の制約などからブロックチェーンの外に保存されることが一般的
3.「相互運用性」
デジタルコンテンツに関して
<従来型プラットフォーム>
・購入元のプラットフォームのサービスが停止されれば利用不可能になる
<NFT>
・共通規格で発行、流通する
・複数のプラットフォームを跨いだ利用が技術的に可能
「共通規格」
メタ情報部分であり、複数のプラットフォームを横断しての利用は、コンテンツ自体の形式(音楽、動画、3Dデータなどのファイル形式)が
各プラットフォーム上で動作することが前提となる
4.「プログラム可能性(プログラマビリティ)」
NFTはスマートコントラクトを用いて実装可能であるため、さまざまな機能を追加できる
・取引数量を制限
・時間の経過とともに価値を上下させる などなど
「スマートコントラクト」
・契約内容を電子化し、定められた取引内容を自動的にブロックチェーンで履行する仕組み
「NFTの取引履歴」
・ブロックチェーン上で公開され、時期を遡って照会することができる
・二次流通以降の取引の際、収益の一部を原作者に還元するといったプログラムの設計も可能
現行法では実質的にデジタルコンテンツに所有権などの概念はないといっていいのが実情。
このため、著作権などの権利を保護するにあたっては、各プラットフォームの規約に依拠している。
プラットフォームを跨いでコンテンツを利用することを想定した場合、あるプラットフォームの規約は、
別のプラットフォームにまでその効力が及ぶわけではないので、今後、スマートコントラクトが
法律の代わりとして機能する世界観にシフトしていくと考えられる。
その場合、スマートコントラクトの監査や、承認手順について法整備が必要。
また、NFTは国境のないグローバルなデジタル世界に対してコンテンツを広く届けることを可能する。
実際、NFTがなくてもデジタルコンテンツをグローバルで同時に発信することは技術的には可能。
しかし、デジタルコンテンツはコピーされると価値が毀損してしまうため、デジタルの動画や書籍などは
プラットフォーム側が保護する立場にある。
そのため、デジタルコンテンツの著作者および所有者らは権利の保護をプラットフォーム側に
依存してしまうのが現状であり、結果としてターゲットマーケットはプラットフォーム展開先に
限定され、世界同時発信はなかなか実現しない。
NFTを導入することで、プラットフォーマーなどの信頼のおける第三者機関に依存することなく、
デジタルコンテンツの著作権や利用権を半永久的に証明することが可能となり、
制約なく世界中のマーケットにコンテンツの価値を問い、提供することができるようになる。