「すべてが間違っています」「大絶滅を前にしているというのに、あなたたちはお金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり」「私はあなたたちを絶対に許さない」
ご記憶のある方は多いかと思いますが、これはスウェーデンから来た16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの国連気候行動サミットで語られた言葉です。
この発言に対し、経済重視、今さえ良ければ良いというトランプ大統領をはじめ大人たちの彼女に対する批判の声が上がりましたね。未来の子供たちのことなんて全く頭に無いとしか思えない言動が多いこと、多いこと。
こうした彼女の心の声に耳を傾けることが出来ない大人に対し、機関投資家12機関はサミットと同じ9月23日、投資先企業にビジネスモデルの脱炭素化を求めるエンゲージメントを直ちに開始。銀行からも巨大な宣言があり、9月23日には、銀行の融資が、環境や社会にどのような影響を与えているかを自主的に測定し公表していく「国連責任銀行原則」が発足。なんと世界から131の銀行が自主的に署名。というように投資家も銀行も、気候変動が異常気象や海面上昇をもたらし、社会を揺るがすような危機を発生させると考えアクションを起こしていたんですね。
今までの常識が非常識になる時代がもうそこまで近づいてきています。国に守られ利権絡みで立ち入ることの出来なかったエネルギー関連企業の相関図が大きく変化することでしょう。
EGS投資によりCO2排出ゼロ社会に向かっているのは間違いありません。あとはそのスピードをどうやって速めることが出来るのかが注目されます。
※ ESGとは、環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの頭文字「E」「S」「G」をつなげたもの。CO2の排出量削減など環境(E)に配慮した経営を行っている企業、女性の社会進出支援など社会(S)に配慮した経営を行っている企業、そして、社外取締役の採用などガバナンス(G)に配慮した経営を行っている企業に投資をする、という投資手法。
日本でもおなじみの投資銀行ゴールドマン・サックスの運用子会社ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントもESG投資を始めているし、世界最大手の運用会社であるブラックロックやバンガードはその最前線にいる。