みなさんは石油や天然ガスがいったいどうやってできたのかご存知でしたか?
石油のもとは、ケロジェンとよばれるもので、これは、大昔のプランクトンの死がいの中に入っていたものだと考えられています。
プランクトンとは、海の中にいる小さな生物のことですが、このプランクトンが死ぬと、死がいは、土や砂といっしょに海の底に少しずつ積み重なっていきます。
そして、そのプランクトンの死がいの上には、数百万年、数千万年という長い年月の間に、砂やどろが積み重なっていくのです。そして、プランクトンの死がいは、しだいに土の中の深いところにうもれていくわけです。その後、死がいは、あるとき、土の中にいるバクテリアと地下の熱の働きで、「石油」に変わったのです。
その石油が、地中の割れ目を通って、たまりやすいところに集まったのが油田です。現在、中東地方で石油がたくさん見つかる理由は、大昔、そのあたりに、テチス海という、広くて浅い海があったからであるといわれています。そこには、プランクトンの死がいがたまるのにちょうどいい海と、石油ができやすい条件がうまくそろっていたと考えられます。
油田ができるためには、もう一つ重要な条件があります。それは、背斜構造と呼ばれる地質構造です。これは地下の地層が凸に曲がった構造のことで、凸の上の部分に石油が溜ります。地下に背斜構造があるところを探さないと石油は発見できません。
海の底に泥と一緒に生物の死がいが積み重なります。泥が沈み押し固められると泥岩となり、その中の生物の死がいからケロジェンという岩ができます。さらに地球の熱によって長い時間をかけて分解され、天然ガスが発生するといわれています。
石油、天然ガスの化石燃料は地球上に初めから存在していたのではなく、長い年月を積み重ね、自然の摂理で出来たエネルギーだったんですね。
この化石燃料が現代社会では温室効果ガスCO2を排出するエネルギーだったとして脱化石燃料に向けて世界中が議論し行動しはじめているのです。
幸い化石燃料はあと五十年程で枯渇するといわれておりますが、この化石燃料にかわるCO2を排出しない、もしくは排出が少ないエネルギーを全世界が模索しておりますが、化石燃料の力が絶大であるため各国スピードは遅いのが現状なんですね。
次月では化石燃料に変わるCO2削減につながるエネルギーについて考えていきたいとおもいます。