近年、ビジネスの現場でも益々存在感を増す人工知能-AI
その急速な普及はわたしたちの生活に多くの恩恵をもたらす一方で、深刻な問題を引き起こす可能性を孕んでいます。
懸念される問題の代表が雇用の喪失です。
すでに世界ではAIと自動化技術の進展により、多くの業務が機械に置き換えられ、人間の労働力が不要となる職種も増加しています。
単純作業やルーティンワークが中心の現場では、今後大規模な置き換えが進み、失業の連鎖が生じる事態は免れません。
この先、新たな雇用の創出とAI技術との共存は、当然の様に人類の最重要課題の一つとなっていくでしょう。
また、デジタル格差の拡大も深刻な問題です。
AI技術を使いこなすことのできる企業や個人と、そうでない者。
両者で機会の隔たりが生じる事は容易に想像できます。
これは、経済的な格差をますます広げる恐れがあり、
とりわけ中小企業や地方のビジネスにおいて、AI導入の遅れが競争力の低下に繋がります。
この先、技術格差の是正は、地方再生の重要なカギとなっていくでしょう。
さらに、技術の進歩と併せてAIの倫理的な問題も無視できません。
プライバシーの侵害や監視社会の進行、アルゴリズムの偏りによる差別など、AIが引き起こす社会的な問題が懸念されています。
この先、法規制の整備や倫理ガイドラインの策定が、業界を跨いだ新たな関心事となっていくでしょう。
少し前の時代、飛語として軽く流されていたこれらの問題は、
今や現実味を帯びた喫緊の課題としてわたしたちの目の前に差し迫ってきています。
人類はこれまで数多の革新的な技術により、生活をより便利で豊かものにしてきました。
この先に待ち構える不可避な事態に何とか対処していくため、わたしたち自身も激的に知能を高めていく必要があります。
そうはいっても、危機感を抱くレベルにまで感覚が追いついていない。
それこそが本当に深刻な問題なのでしょう。