長い間、仕事でLinuxを使用してきましたが、Linuxのディストリビューションについて調べたことがありませんでした。
その為、改めてそれぞれの特徴について調べてみます。
Red Hat系
▼Red Hat Enterprise Linux(RHEL)
特徴:
①企業向けの安定したサーバーOS
②有料のサポートが充実
③長期サポート(LTS)があり、安定性重視
④商用利用が多く、企業のサーバーや業務システムで採用される
用途:企業のサーバー、金融機関、政府機関、データセンターなど
▼CentOS(CentOS Stream)
特徴:
①RHELと互換性があるが、無料で使用可能
②以前は安定版(CentOS 7まで)があったが、CentOS 8以降はローリングリリースの「CentOS Stream」に変更
③無料で使えるRHELの代替として人気だったが、現在はAlmaLinuxやRocky Linuxへ移行する動きもある
用途:企業サーバー、個人の開発環境、Webサーバー
▼AlmaLinux / Rocky Linux
特徴:
①CentOSの代替として登場
②RHELと完全互換
③無料で使えるが、安定性が高い
用途:CentOSの代替としてサーバー用途
Debian系
▼ Debian
特徴:
①安定性が高く、長期サポート(LTS)も提供
②オープンソースコミュニティによって開発
③サーバー向けとしても人気
用途:サーバー、デスクトップPC、組み込みシステム
▼Ubuntu
特徴:
①Debianをベースにしているが、より使いやすい
②デスクトップ版とサーバー版があり、初心者にも人気
③定期的なリリース(LTS版は5年間のサポート)
④企業向けの「Ubuntu Server」も提供
用途:デスクトップPC、クラウド環境(AWS, Azure, GCPなど)、開発環境
▼Linux Mint
特徴:
①Ubuntuベースで、よりユーザーフレンドリー
②Windowsからの移行がしやすい
③軽量で動作がスムーズ
用途:デスクトップPC、古いPCの再利用
Arch系
▼Arch Linux
特徴:
①最小構成でインストールでき、カスタマイズ性が高い
②最新のソフトウェアを利用可能(ローリングリリース)
③公式ドキュメント「Arch Wiki」が充実
④上級者向け
用途:開発者、Linux上級者向け
▼ Manjaro
特徴:
①Arch Linuxをベースにした初心者向けディストリビューション
②使いやすいGUIと安定したアップデート
③ソフトウェア管理が簡単
用途:デスクトップPC、開発環境
その他のディストリビューション
▼Fedora
特徴:
①Red Hatが支援する先進的なLinuxディストリビューション
②RHELの新技術のテスト環境としても利用される
③開発者向けに最適
用途:開発環境、最新技術のテスト
▼openSUSE
特徴:
①安定版(Leap)とローリングリリース版(Tumbleweed)の2種類がある
②YaSTという管理ツールがあり、設定が簡単
③企業や開発者向け
用途:サーバー、開発環境
まとめ
系統 ディストリビューション 特徴
Red Hat系 RHEL 企業向け、有料サポート
CentOS Stream RHEL互換、無料、ローリングリリース
AlmaLinux / Rocky Linux CentOSの代替、無料
Debian系 Debian 高い安定性、LTSあり
Ubuntu 初心者向け、クラウド環境で人気
Linux Mint Windowsからの移行がしやすい
Arch系 Arch Linux 上級者向け、最新技術を利用可能
Manjaro Archベース、初心者向け
その他 Fedora 最新技術のテスト環境
openSUSE 企業・開発者向け
どのLinuxを選ぶかは、目的や用途によって異なります。
サーバーならRHEL系やDebian系、初心者ならUbuntuやManjaro、最新技術を試したいならArchやFedoraが向いている。