一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 安倍晋三は何を残したのか〜世界の真ん中で咲き誇る日本〜32

【最強の外交家】❷

安倍総理に対する評価が変わってくるのは、2014年のG7サミットの首脳会議の時である。ロシアによるクリミア半島併合問題で、オバマと欧州の首脳が対立。

オバマは、メルケルやフランスとオランド大統領と激しい言い合いになる。会議は収拾のつかない感情的なものになってしまった。

困りきったメルケルから、「シンゾー、あなたどう思う?」とふられ、そこで安倍総理はオバマの顔を立てながらも折衷案を示して、会議をまとめてしまう。

これには会議終了後、イタリアのレンツィ首相がハイタッチを求めてきて、オバマは駆け寄ってきて感謝を込めてハグしてきた。

オバマは、世界の首脳の中に友達が一人もいないと言われるほど、ビジネスライクな人物である。そのオバマが、安倍総理に対する印象を変えた瞬間であった。

安倍総理の、日本の、怒涛の巻き返しがここに始まる。

翌2015年、再び訪米した安倍総理を、オバマ大統領は2日間に渡り、全力で歓待する。2年前の冷遇は嘘のようであった。そして、嫌日親中だったオバマ大統領は、明確に反中に転じて、「日本の経済は活性化され、安全保障で世界に貢献している。シンゾー、アリガトウ」と述べた。

2015年4月29日、日米関係史の大きな転換点となる、米上下院議会における安倍総理の演説が行われた。これは大きな反響を呼び、ベイナー下院議長は何度も涙を拭い、日本に対して厳しい態度であったペロシ院内総務も、対日観を大きく変える。議会は何度も何度もスタンディングオーべーションが起きた。

演説が終わると、安倍総理にサインと握手を求める議員が長蛇の列を成した。

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