これら経絡・経穴に対する「鍼」の適用法が確立したのは、後漢(~A.D.3世紀)の時代とされる。現在も活用される鍼灸の古典医書『黄帝内経(A.D.3世紀成立)』は、前述の出土医書群の直系とされているが、記述される内容は、完全に「鍼」が主体の体系にシフトしている。れは、前漢から後漢に至る2〜3世紀の間に、本来「灸」による物理療法として生まれた治療技術体系が、「砭石」(へんせき=石のメスによる瀉血)療法などを包含し、より簡便な「鍼」による物理療法として発展したことを示すものと考えられている。
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