一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「2025年7月5日に巨大地震は起きなかった――“予知”とIT技術の可能性と限界」

2025年7月5日、多くの噂とともに注目を集めた“巨大地震予言の日”が静かに過ぎ去った。一部のSNSや動画サイトでは、「南海トラフ地震がこの日に起きる」との情報が拡散され、緊張感が高まっていた。だが実際には、当日大規模な地震は発生せず、「やっぱりデマだった」と安堵の声と同時に、「科学的根拠がないのに信じすぎた」といった反省の声も上がっている。

地震予知は、現代科学においてなお大きな課題だ。プレートの動きや地殻変動を捉える地震計やGPS、AIによる解析技術など、ITの進化はめざましい。地震発生の“兆候”を捉えることは可能になりつつあるが、「いつ・どこで・どれくらいの規模で起きるか」を正確に予測する技術は、いまだ確立されていない。

一方で、誤情報や憶測がSNSを通じて一気に拡散される現代では、IT技術そのものが不安を煽る要因にもなり得る。地震予知とITは、人命を守る可能性と、誤情報拡散のリスクという“両刃の剣”だといえるだろう。

今回の“空振り”を通じて、私たちは科学的リテラシーの重要性と、正確な情報の選別力を改めて問われている。防災は「予知」ではなく「備え」から。過信せず、でも無関心にならずに、日々の備えを続けていきたい。

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松浦 将一

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