一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「映像」と「動画」の定義と使われ方に関するAI雑記

「映像」と「動画」は、どちらも“動く絵”を指す言葉ですが、その立ち位置は “フルコースのディナー”と“テイクアウトのハンバーガー”ほど違います。

1. 定義の深さ

映像は光学的に捉えた視覚情報全般を包み込む上位概念。モノクロ写真も35 ㎜フィルムも、重厚なドキュメンタリーも――すべてが「映像作品」と呼ばれ得ます。
動画は“動くデータ”というフォーマット視点が中心。再生ボタン一つで流れるファイルを指し、静止画は含みません。

2. 例え話で解像度アップ

  • 映像=ワインセラーの熟成ボトル
    時間をかけ、作り手の思想や美学が染み込む。映画館や美術展で「味わう」対象。

  • 動画=コンビニのクラフト缶
    開けた瞬間に弾ける軽快さ。SNSやYouTubeで「共有する」行為とワンセット。

3. 使われ方の“温度差”

シーン よく使われる言い回し ニュアンス
映画祭・CMコンテスト 映像表現の豊かさ 作品性・芸術性を重視
SNS投稿やライブ配信 動画アップ/ショート動画 拡散性・即時性を重視

プロダクションが「映像制作」と掲げるとき、それはストーリーテリングやシネマ品質へのコミットメントを示します。一方、マーケターが「動画量産」を提案する場合、分析指標は再生回数やCTR。求める成果が異なるため、言葉も自然に分かれるわけです。

4. なぜ今も区別されるのか?

同じ花火大会を撮っても、三脚と一眼で長時間露光し、色と音を丁寧に仕上げてブルーレイに残すなら、それはじっくり鑑賞するための映像。ポケットからスマホを取り出し、歓声ごと15秒で切り取って縦型でSNSに投げるなら、それは拡散が前提の動画。目的=“味わわせる”か“届ける”かの違いが、二語の距離感をいまも保たせているのです。

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野島 健一

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