協会費は所得に基づいて算定され、記事では月額3.85万円の例が紹介されています。国民健康保険料や国民年金保険料の合計が協会費より高い場合は、加入によってトータルコストを抑えることができます。また、厚生年金に加入すると将来の年金受給額を増やせる点も魅力です。
### 節税効果
協会費は「諸会費」として経費計上できるため、支払った会費を所得から控除できます。社会保険料控除と合わせて節税効果が期待できることから、税金面でもメリットがあります。
### 審査に通りやすくなる
健康保険・厚生年金に加入することで、クレジットカードや賃貸住宅などの審査に通りやすくなることがあります。一般に会社員と比べてフリーランスは審査が厳しくなる傾向がありますが、社会保険への加入により信用力を高められるとされています。
### 紹介料制度
協会には紹介制度があり、新規会員を紹介すると紹介料がもらえます。記事によると1人紹介すると月5,000円が支払われ、友人を数名紹介すると会費を実質的にカバーできる可能性があるとのことです。
## デメリットや注意点
協会に加入することで保険料を抑えられる反面、さまざまなデメリットや注意点が存在します。体験談記事から主な点を抜粋します。
### iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金上限が下がる
協会に加入すると、社会保険上の被保険者区分が第2号被保険者となり、iDeCoの掛金上限が月2.3万円に下がります。iDeCoの掛金を大きく積み立てたい人にとってはデメリットになる可能性があります。
### 記事投稿の義務
加入時に、月に1回程度協会サイトに記事を投稿してほしいと依頼される場合があるとされています。実際には投稿しなくても特に連絡がなかったという報告もありますが、情報発信に参加する義務が課される可能性がある点は理解しておくべきでしょう。
### 保障内容が手厚くなるわけではない
社会保険に加入できるからといって、労災保険や雇用保険には加入できません。また、出産手当金や傷病手当金は協会が設定する役員報酬(月額1.3万円)を基準に算定されるため、支給額は1日あたり1,287円程度と非常に少額です。
### 会費の値上げと削減率の低下
協会費は社会保険料の引き上げなどを理由に変更されることがあります。記事では、以前は月3.5万円だった会費が2021年7月から3.85万円に上がり、保険料削減率も最大50%から45%に引き下げられたと報告しています。今後の値上げリスクもあるため注意が必要です。
### 退会時の制限
退会日の1カ月前に連絡が必要なほか、理事として社会保険に加入していたことから、退会後2年間は同様のサービスを提供する団体の理事や役員に就任できないとされています。業務上問題になりそうな人は確認しておきましょう。
### 向いている人・向かない人
体験談では、協会加入が向いている人とそうでない人が挙げられています。
– **向いている人** – アルバイトや派遣契約で給与所得が多く、国民健康保険料が高い人。友人や同業者を紹介できる見込みがあり、紹介制度を活用できる人。現在支払っている国民健康保険料と国民年金保険料の合計が協会費より高い人。
– **向いていない人** – 事業所得が中心で経費による節税ができるフリーランス。労働保険や手厚い保障を期待している人。
## まとめ
全国個人事業主支援協会は、個人事業主同士が力を合わせて活動することを目的とした支援団体です。協会は、情報発信や案件の共同受注・相互紹介、新規事業の創出などの取り組みを通じて、個人事業主の社会的地位と生活水準の向上を目指しています。また、フリーランスでも厚生年金や健康保険に加入できる制度や節税効果など、魅力的なメリットも存在します。
一方で、会費の高さやiDeCoの掛金上限の低下、保障の薄さなどのデメリットや注意点も無視できません。協会費の値上げや退会時の制限など、将来的なリスクにも目を向ける必要があります。
協会への加入を検討する際は、自身の所得や保険料の状況、将来の働き方を踏まえて総合的に判断しましょう。メリットを十分に享受できる人にとっては有用な制度ですが、そうい人には加入する必要はありません。個々の事情に合わせて賢く選択することが、フリーランスとしての安定した生活につながります。