個人事業主になるメリットは、大きく分けて以下の5点が挙げられます。
個人事業主になるための手続き自体は、税務署に開業届を出すだけで完了します。一方、法人の設立には費用が必要となるうえ、定款の作成や登記といった手続きには、長ければ1ヵ月超かかる場合もあります。
個人事業主は、働く場所や時間、仕事内容を自由に決めることができます。何らかの事情で毎日会社に行くことができない人や、育児や介護との両立に課題を抱えている人などにとっては大きな魅力と言えるでしょう。またワーケーションや二拠点生活なども実現しやすくなります。
給与がある程度決められている会社員と異なり、個人事業主の場合は実力さえあれば仕事量を増やしたり、受注単価を上げたりすることで収入を大きく増やせる可能性があります。
青色申告とは、売上や経費などを帳簿につけて正しい所得税の申告を行う制度のことです。青色申告をすると、記帳や申告の方法に応じて最大65万円の「青色申告特別控除」が受けられます。つまり課税対象の所得額が減らせる=節税できるというわけです。
事業で赤字が出た場合、翌年以降黒字化できた際にその損失額分を利益から差し引くことができます。つまり、赤字が出た年の翌年以降は、黒字化できた際にも節税ができるということです。
個人事業主になる際のデメリットも、併せて確認しておきましょう。
会社員であれば毎月所得から源泉徴収され、年末調整も会社側が行ってくれます。しかし個人事業主の場合は毎年必ず確定申告をし、正しい所得税額を申告しなければなりません。
青色申告を行う場合は、複式簿記によって記帳し、貸借対照表と損益計算書を作成して税務署に提出しなければなりません。ただ、これは会計ソフトなどを利用すれば作業がある程度簡略化されます。
会社員と異なり失業保険=雇用保険がないため、失業した場合も失業手当が受け取れません。次の仕事に就くまでは無収入になってしまうため、貯蓄や小規模企業共済などで準備しておくのが良いでしょう。
個人事業主は法人や会社員と異なり、金融機関からの融資を受けにくくなります。個人事業は収入が安定しづらいうえ、事業資金と個人の生活費の境目があいまいになりがちなので、融資の審査が厳しくなるからです。融資を受けたい場合は、事業用と生活費の預金口座を分けて管理するようにしましょう。
個人事業は法人と異なり、簡単に開業・廃業できます。そのため大手を中心に、法人との取引を優先させる企業もあります。