おが wrote a new post, 児童文学という世界(第五回) 3年 7か月前
第一回で述べた通り、児童文学は対象年齢層を冠した文学ですが、実際に取り組む際は注意が必要です。
最も大切なのは、読者層。読者はゼロ歳児なのか、幼児なのか、小学校低学年なのか高学年なのか、中学生あるいは高校生なのか……。それぞれの年代で、人生経験、学習量、言語経験がまったく違うため、どの年齢層を対象とするのかをしっかり想定することが必須となります。そして、それぞれの世代に目線を合わせた表現が最も重要となります。たとえば、夏の暑[…]
おが wrote a new post, 児童文学という世界(第四回) 3年 8か月前
昔話『かぐや姫』のもとになっている『竹取物語』には、翁が激怒する場面が描かれています。月の国の人たちと戦うことはできないと言うかぐや姫に、翁は、「お前を迎えに来る人を、長い爪でその目をつぶし、髪をつかんで引きずり落とし、尻をむき出しにして恥をかかせてやろう。」と言うのですが、昔話には、そのような記述はありません。また、グリム童話も残虐な場面などは、今はなくなっています。
言うまでもなく、その理由は、子どもに読ませる、あるいは[…]
おが wrote a new post, 児童文学という世界(第三回) 3年 9か月前
文章に書かれている言葉、言い回しなどから、登場人物はこのように感じているに違いないと読み解いていくのが読解で、読み手の経験や感情、感覚を、作品と同調させて読むことを読書といいます。
人生経験を積んだ大人が読書をすると、自らの経験と理論をあわせて読書をします。
一方で、あくまで一般的なこととしてですが、子どもは大人よりも知識や人生経験が足りません。ですから、大人のような方法で読書をするのではなく、心で読み取ることを軸とします[…]
おが wrote a new post, 児童文学という世界(第二回) 3年 10か月前
前回、児童文学は対象年齢層を冠した文学だと述べましたが、これには当然、大人たちの『思い』があります。ちょっと嫌な言い方をすれば、大人にとって都合のいい子どもをつくる狙いがある、というものです。そのため、批判の対象になりがちなところがあるのは、どうしても否めない点ではあります。
たとえば、イソップ物語のような寓話は教訓が書かれています。これは、日本の昔話なども同様で、子どもたちが受け入れやすい言葉で、社会のルール[…]
おが wrote a new post, 児童文学という世界(第一回) 3年 11か月前
私は、ひっそりと児童文学も書いています。今回からは、児童文学について、書いていきたいと思います。
他の小説などと違い、児童文学は、そもそもそういうジャンルの名称ではありません。読者の年齢層を冠した文学の総称です。ゼロ歳児から中高生までが読者として設定されていて、童話、寓話、昔話、絵本、紙芝居、漫画、アニメ、ケータイ小説、ライトノベルなど、多種多様なジャンルがあります。(なお、ここでは、ケータイ小説やライトノベルは文学と言[…]
おが wrote a new post, 現代文という科目の重要性(最終回) 4年前
さて、いよいよ現代文の重要性の結論について述べたいと思う。
数学の設問文や条件が理解できなければ、どの解法で解けばいいのか分からない。出題されている理科の実験が、何を目的として行われているのか分からなければ、正しく解答などできない。社会人になっても、目の前の文書が示しているものが分からなければ、誤った仕事をしてしまうだろう。
学生、特に受験生にとって、現代文は受験科目でしかないだろう。それにもかかわらず、高得点を安[…]
おが wrote a new post, 現代文という科目の重要性(第四回) 4年 1か月前
裏ワザも解法もない、得点源としては物凄く不安定な現代文が、こっそり注目されている。
2021年度入試から始まる「共通テスト」の出題傾向や、とある大学の入試をみても、たとえば数学の問題で文章量が増えたりしているところから、ことばを読み取る力が、それなりに求められていることがうかがえる。
ここに、現代文の読解がなぜ重要なのか、という問いの答えがある。
次回、現代文の重要性、最終回。
おが wrote a new post, 現代文という科目の重要性(第三回) 4年 2か月前
読解問題に裏ワザが存在しない理由についてだが、現代文の読解問題に触れながら紹介する。
読解問題とは、出題者によって傍線が施され、設けられた問いに対して、選択または記述、あるいは論述という解答方式のうちの指示されたものを用いて答えるものだ。言葉から解釈されうるものを答えるのだが、必ず文章中に解答の根拠となる部分を見つけなければならない。あてずっぽうだったり、自分勝手に読み取ったものを答えるのは、読解の解答としてあってはなら[…]
おが wrote a new post, 現代文という科目の重要性(第二回) 4年 3か月前
読解の必要性が極端に少ない理由のひとつに、解法が分からないことがある。実際、どうやって解いていいか分からないと、文句のような質問を受けたことは一度や二度ではない。
塾経営者として、誰でも簡単に解ける、裏ワザのようなものがあったほうが需要が高まるのだろうかと、当初は授業や予習をしながら考えていたが、やればやるほど、そのようなものは存在しないと思い知らされた。
次回は、読解問題に裏ワザがない理由について紹介する。
おが wrote a new post, 現代文という科目の重要性(第一回) 4年 4か月前
私の主な担当科目は国語だ。古典も担当するが、現代文、特に小説文と哲学的文章の読解問題を得意としている。
今でこそ、某大手予備校の現代文講師がお茶の間の人気者になったり国語の重要性が説かれるようになったが、今から10年ほど前、私が国語の指導を始めたばかりのころは、「国語なんかよりも数学と英語」と言われてしまうほどに軽視されていた。大学入試でも得点源になりやすい古典に関しては比較的需要があったが現代文は必要性を感じる人が極端[…]
おが wrote a new post, はじめましてのご挨拶 4年 5か月前
はじめまして。
このたび、会員となりました小笠原涼子と申します。よろしくお願いします。
学習塾の運営や国語を教えるかたわらで、こっそり文字書きもしております。
少子化により子どもの数が減っておりますが、地方のそれは濡れたスポンジが乾くときのように急激で著しいです。その中での学習塾運営は、顧客(生徒さん)の確保という大きな問題がついてまわります。
いちばん大切なのは、いかに保護者の方と信頼関係を結ぶかにあ[…]