2025年度(令和7年度)税制改正大綱の決定
12月20日、与党(自由民主党・公明党)により「2025年度税制改正大綱」が纏められました。
→ 今回の改正大綱では、法人税・個人所得税・消費税・資産課税・国際課税など広範な領域で改正案が提示されています。例えば、法人側では「賃上げ促進税制」「戦略分野国内生産促進税制」「イノベーション拠点税制」などが重点項目です。
→ 実務上は、特に令和6年3月期決算以降、あるいは令和6年度以降に適用される制度変更が想定されるため、年末・年始の決算処理・税務戦略の見直しが必要です。
国税庁のガイダンス公表・FAQ改訂
消費税「プラットフォーム課税」に関する英語版Q&Aの公表(12月20日付)および特定プラットフォーム事業者の名簿の公表。
暗号資産等に関する税務上の取扱いを整理したFAQの改訂(12月20日付)も実施。
→ プラットフォーム課税、暗号資産という比較的新しいテーマが取り上げられており、国際取引・デジタル取引を行う顧問先には早めの対応が求められます。
「イノベーション拠点税制(いわゆるイノベーションボックス税制)」に関する議論・公表手続の開始
12月27日付で、 経済産業省 にて、2024年度税制改正で創設された「イノベーション拠点税制(イノベーションボックス)」に係るガイドライン(案)等が意見公募手続に付された旨が公表されました。
→ 実務的には研究開発・知財・新技術などを活用する中小・中堅企業は、制度適用要件・申請手続・税務会計連携を早めに整理する必要があります。
2024年12月の税務カレンダー/実務上の留意事項
例えば、12月10日は「11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額納付」など、月次の税務スケジュールが更新されています。
→ 年末調整・給与支払者の控除申告書提出・本年最後の給与支払前の処理・固定資産税第3期分納付など、個人・法人双方の実務者が押さえるべき内容です。
インボイス制度・消費税申告等における留意点
「申告1年目にはなかったインボイス制度導入2年目の消費税申告等の留意点とは?」という記事が12月2日に発行されており、制度定着期の対応が求められています。
→ 請求・仕入・売上側のインボイス制度対応、帳簿整理・電子化・確認体制の強化が実務ポイントです。
決算・税務戦略の早期整理:特に3月期決算会社や中小企業顧問先にとっては、2025年度税制改正の影響を織り込んだ税務戦略(例えば、研究開発税制活用、賃上げ促進税制、国内生産促進税制など)を本年末~来年初めに検討しておくべきです。
顧問先の業態・取引形態の見直し:例えばプラットフォーム取引、暗号資産取引、国際取引、新技術・知財活用企業では今回のQ&A改訂・制度公募が踏み切られていますので、契約関係・取引スキームの整理が必要。
月次・年末実務チェックリストの再確認:年末の給与支払・源泉税納付・固定資産税納付・控除申告書提出といったルーチン税務処理をクライアントとともに再確認し、特にインボイス制度2年目・電子帳簿義務化関連に対してフォローを強化。
クライアントの説明と文書化:税制改正大綱の概要や改正ポイントをクライアント通信・説明資料として整理し、早期に影響範囲を提示することで、専門家としての信頼性を高めることができます。
内部体制の見直し:会計事務所としても制度改正やガイダンス変更に対応できるよう、研修・ナレッジ共有体制・チェックリストの更新を進めておくべきです。