一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

DevOpsは、「開発(Development)」と「運用(Operations)」を組み合わせた造語で、これら二つのチームが密接に連携し、協力しながらシステム開発を進めるための文化、手法、および体制のことです。

 

従来のシステム開発では、開発チーム(Dev)がコードを作成し、完成したら運用チーム(Ops)に引き渡すというように、両者が**サイロ化(分断)**されていました。これにより、以下のような問題が生じがちでした。

  • 衝突の発生: 開発側は「新機能を早くリリースしたい」、運用側は「システムの安定性を維持したい」という異なる目的を持つため、対立が起こりやすい。
  • リリースの遅延: 引き継ぎや環境構築に時間がかかり、リリースが遅くなる。
  • 品質の低下: 開発環境と本番環境の違いによる不具合が、リリース後に発覚しやすい。

DevOpsは、これらの壁を取り払い、開発と運用を一体化させることで、以下の実現を目指します。

  1. スピードの向上: 小さな変更を頻繁かつ迅速にリリースする。
  2. 品質・安定性の向上: リリースプロセスを自動化し、人為的ミスを防ぎ、システムの信頼性を高める。
  3. フィードバックの迅速化: ユーザーや運用側からのフィードバックをすぐに開発に反映できる。

 

アジャイル開発とDevOpsの違い

 

DevOpsはしばしばアジャイル開発と関連付けられますが、目的が異なります。

  • アジャイル開発: **「何を、どうやって作るか」**に焦点を当てた開発手法。短期間のサイクル(イテレーション)で開発を繰り返し、変化に柔軟に対応し、価値のあるソフトウェアを迅速に提供することを目的としています。
  • DevOps: **「作ったものをどうやって安全かつ迅速に提供し、運用するか」**に焦点を当てた、組織横断的な文化とフレームワーク。アジャイル開発で生み出された成果物を、本番環境へ届けるための仕組み全体を指します。

💡 イメージ: アジャイル開発が**「調理の仕方」(短い時間で美味しい料理を作る方法)だとすると、DevOpsは「デリバリーの仕組み」**(その料理を温かいうちに、安全かつ迅速に顧客に届けるためのシステム全体)といえます。

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itoh

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