一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

ITエンジニアの仕事は、集中力・論理思考・継続的な学習が求められる一方で、
常に頭をフル回転させ続ける消耗戦でもあります。

  • バグが取れない
  • 要件変更で思考が散らかる
  • 仕事後も頭が切り替わらない

そんな状態が続くと、スキル以前に「思考の質」そのものが落ちてしまいます。

そこで近年、エンジニアの間でも注目されているのがマインドフルネスです。
今回は「なぜITエンジニアこそマインドフルネスを取り入れるべきなのか」を、
実務視点で3つに絞って解説します。


理由① 集中力の“立ち上がり”が速くなる

エンジニアの生産性は、作業時間よりも
「深い集中状態(フロー)に入れるかどうか」で大きく左右されます。

しかし現実は、

  • Slack通知
  • 仕様の不安
  • 他タスクの記憶

などが頭の中を占拠し、
「PCの前に座っているのに集中できない」時間が増えがちです。

マインドフルネスは
今この瞬間の感覚(呼吸・体感・音)に意識を戻す訓練

これを続けることで、

  • 雑念に気づく
  • 意識を“今やること”へ戻す

という切り替えが速くなります。

結果として、
「集中に入るまでの助走時間」が短くなる
→ コーディングや設計に入るのが楽になります。


理由② バグ対応・トラブル時に冷静さを保てる

本番障害、想定外のバグ、タイトな納期。
エンジニアの現場では、焦りが判断ミスに直結します。

  • 視野が狭くなる
  • 原因を決めつけてしまう
  • 単純ミスを連発する

こうした状態の正体は、
「思考ではなく感情に引っ張られている状態」です。

マインドフルネスでは、

「今、自分は焦っているな」
「不安が強くなっているな」

と、感情を客観的に観察する力を養います。

すると、

  • 感情と行動を切り離せる
  • 一拍置いて状況整理できる

ようになり、
トラブル対応時の判断精度が安定します。

これは経験年数とは別の、
“メンタルの技術”と言えます。


理由③ 疲労と燃え尽きを防げる

エンジニアは「頭脳労働」ですが、
実際には脳を酷使する肉体労働に近い側面があります。

にもかかわらず、

  • 休憩しても頭が休まらない
  • オフでも仕事の思考が止まらない

という人は少なくありません。

マインドフルネスを行うと、

  • 思考を止める
  • 評価や判断を手放す

という“脳の休憩”ができます。

これにより、

  • 疲労の蓄積を抑える
  • 慢性的な消耗を防ぐ

ことが可能になります。

短期的なパフォーマンスだけでなく、
長くエンジニアとして働き続けるための土台になります。


忙しいエンジニア向け:最低限の始め方

「時間がない」という人向けに、最小構成で紹介します。

1日1〜3分でOK

  1. 椅子に座る
  2. 目を閉じる or 半目
  3. 呼吸に意識を向ける
  4. 雑念に気づいたら、呼吸に戻す

それだけです。

重要なのは
うまくやろうとしないこと
気づいて戻す、それを繰り返すだけで十分です。


まとめ

ITエンジニアがマインドフルネスを取り入れるべき理由は以下の3つです。

  1. 集中力の立ち上がりが速くなる
  2. トラブル時に冷静さを保てる
  3. 疲労と燃え尽きを防げる

マインドフルネスはスピリチュアルではなく、
思考と集中を最適化するための実用スキルです。

技術を磨くのと同じように、
「思考の使い方」もチューニングする
それが、これからのエンジニアには重要になってきます。

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