あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今回で4回目になります。
怪我の予防に効果的として「体幹を鍛えましょう」という言葉は、今やスポーツや健康の世界で当たり前のように使われています。
怪我の予防に体幹部のトレーニングは有効な場合が多いですが、「体幹=腹筋を鍛えること」だと誤解している方も少なくありません。怪我予防の観点から見ると、体幹トレーニングの目的は体幹部の筋発揮を安定させ、各関節の動作をスムーズにすることにあります。
体幹とは、腹筋や背筋だけでなく、骨盤や股関節周囲も含めた「胴体部分全体」を指します。この部分が安定していないと、手足を動かしたときに支点が安定せず力がうまく発揮できません。結果的に力の伝達が損なわれ、膝や足首、肩など末端の関節に過剰な負担がかかります。スポーツ現場でよく見られる「膝の痛み」や「足首の捻挫」は、実は体幹の不安定さが原因になっているケースも多いのです。
例えば、片足で立ったときに体が左右に大きく揺れる人は、体幹や股関節周囲の筋肉がうまく働いていない可能性があります。その状態でジャンプや急な方向転換を行えば、着地の衝撃をうまく吸収できず、関節を痛めやすくなります。
体幹は、いわば衝撃を分散するための「土台」と「クッション」の両方を兼ね備えた部位なのです。
ここで大切なのは、「きついトレーニング=良い体幹トレーニング」ではないという点です。怪我予防が目的であれば、まずは正しい姿勢を保ち適切に動けることが最優先になります。代表的なのがプランク(うつ伏せで体を一直線に保つ姿勢)ですが、良い姿勢を長時間続けられるだけでは怪我の予防効果は期待できないでしょう。
体幹トレーニングは「止まった状態」だけでなく、「動きの中」で安定させることが重要です。例えば、片足立ちでバランスを取る、ゆっくりスクワットを行うなど、日常動作に近い動きの中で体幹を意識すると、実際のスポーツ動作にもつながりやすくなります。
体幹トレーニングは派手さはありませんが、続けることで確実に体の安定感が変わってきます。腹筋を割るためではなく、怪我を防ぎ、長く動ける体を作るための土台作り。それが体幹トレーニングの本当の役割なのです。