「偽装フリーランス」に関する厚生労働省の初集計結果と是正勧告状況
2024年6月、厚生労働省は「フリーランスとして働く方々の労働者性に関する実態調査」の初となる集計結果を公表した。この調査は、形式上は業務委託契約を結びながらも、実態として指揮命令系統下に置かれている「偽装フリーランス」の問題を可視化したものであり、2024年6月時点での労働基準監督署による是正指導の指針を明確に示す客観的なデータとなっている。
集計結果によれば、全国の労働基準監督署が2023年度に実施した監督指導において、労働者性が認められるにもかかわらず個人事業主として扱われていた事案が153件確認された。これらの事案に対しては、労働基準法や最低賃金法の適用を求める是正勧告が行われている。2024年6月時点の判断基準として重視されているのは、第一に「仕事の依頼に対する諾否の自由があるか」、第二に「業務の遂行方法について具体的な指揮命令を受けているか」、第三に「勤務時間や場所が拘束されているか」の3点である。統計的な傾向として、配送業やIT・クリエイティブ職種において、発注側からの過度な指示や時間拘束が「労働者」と判定される主要因として指摘されている。
2024年6月時点の市場動向として、企業側は「フリーランス新法」の施行(2024年11月)を前に、自社が活用する外部リソースが労働基準法上の「労働者」に該当しないか、実務フローの再点検を急いでいる。偽装フリーランスと判定された場合、遡及しての残業代支払い、社会保険への加入義務、および労災補償の責任が発生するため、コンプライアンス上の重大な経営リスクとして認識されている。
これらの集計結果は、2024年6月当時において、フリーランスという働き方が「契約の形式」ではなく、現場での「指揮命令の実態」という客観的な事実によって法的に評価されるフェーズに移行した実態を示す指標となっている。