国内クラウドコンピューティング市場の利用形態別シェア推移
総務省による「令和5年通信利用動向調査(2024年5月公表)」の結果を参照すると、日本国内においてクラウドコンピューティングサービスを一部でも利用している企業の割合は77.7%に達しており、前年の72.2%から5.5ポイント上昇している。この統計値は、国内企業の約4分の3以上が何らかのクラウドインフラを導入している事実を客観的に示している。
利用形態別の導入率をサービス分類(SaaS、PaaS、IaaS)で確認すると、電子メール、スケジュール共有、ファイル保管等の「SaaS(Software as a Service)」が最も高い普及率を示している。具体的な利用目的の内訳(複数回答)では、「ファイル共有・データストレージ」が63.8%と最多であり、次いで「電子メール」が55.1%、「社内情報共有・掲示板」が43.6%となっている。一方、サーバーインフラを仮想的に提供する「IaaS(Infrastructure as a Service)」や、開発環境を提供する「PaaS(Platform as a Service)」の導入も、基幹システムのクラウド移行に伴い、大規模企業を中心に堅調な推移を見せている。
クラウド導入の効果については、利用企業の88.4%が「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答しており、主目的である「資産・保守体制の負担軽減」および「場所を問わない作業環境の構築」が統計上も達成されていることが伺える。
これらの数値は、2024年8月現在において、クラウドコンピューティングが特定の先端産業に限定された技術ではなく、国内産業全体の標準的な情報システム基盤として定着している実態を客観的に示す指標となっている。