一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

先日、とある企業のセミナールームでWifiに接続できないと連絡を受けて、急いで現場に駆けつけました。
調査した結果、どうもアクセスポイントを収容しているL2SWに問題があることが判明し、急遽機器を交換することになりました。
倉庫にストックとして抱えていた機器を引っ張り出し、交換作業を行って、無事に通信が復旧できたことの確認が取れました。
任務完了、障害対応クローズ。
しかし、我々システム管理者が対応に当たっているあいだ、セミナールーム利用者はWifiが使えない状況がずっと続いていたわけです。
これはシステムの可用性という観点からみれば大いに問題のある状況なのです。

システムの運用を考えるときに、可用性とか冗長性といった言葉がよく聞かれます。
一般的にシステムには稼働系システムと待機系システムの二種類があって、稼働系システムになんらかの障害が発生してダウンしてしまった場合、
速やかに待機系システムに切り替わりシステム運転が再開されます。
このように障害に備えて複数のシステムをあらかじめ用意することを冗長性を取るといいます
そしてシステムを冗長化することによって、継続してノンストップで安定的にシステムが運転されていくということが可能になるわけです。
この継続性の度合いを可用性と言って、冗長性はいわば可用性を高める手段ということになります。

可用性を考慮するというのはとても重要なことなのです。
だって、いくら素晴らしく品質のいい商品を提供するWEBサービスでも、しょっちゅう障害でサービスが止まっていたら使うのがイヤになっちゃいますよね。
長期的に見れば、お客さんが離れていく要因になるでしょう。

こういったことは、別に情報システムに限ったことではありません。
例えば、取引先の倒産に備えて複数の取引先に売り上げを分散させておくとか(取引先の冗長化)、
資産を現金だけじゃなくて株とか債権とか不動産に分散させるとか(資産の冗長化)、などが考えられます。
さらには万が一に備え、広範な人脈・人間関係を構築しておくというのもある種のリスク分散・冗長化とも言えなくもないですね。

でも、さらなる応用をきかせて、家族を冗長化する、恋人や愛人を冗長化する、みたいな話になってくるとなんだかまずいような気がします。
私にはよくわかりません。
もしかしたら、世の中にはそういった人達もいるのかもしれませんが。

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柳 明宏

ネットワークエンジニア。

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