訪問販売の極意をダラダラと⑦
前回の続き。
今回は、現場で私がどうやって「手応え(気配)」を察知しているのか、その勘どころについてお話しします。
「動かない勇気」を持つためには、そこが「釣れるポイント」かどうかを見極める目が必要です。私が特に意識しているのは、街や家が発している**「生活感の解像度」**です。
インターホンを押す前に、すでに勝負は始まっています。玄関先に置かれた子供の靴の乱れ方、庭の手入れのされ具合、自転車の停め方……。これらが「今、まさにそこで生活が営まれている」という生々しい空気感を放っている家は、こちらの言葉が届く可能性が高い気がします。
そして、インターホン越しに応答があった際の**「間(ま)」**。
こちらの名乗りに耳を傾けているコンマ数秒の静寂に「拒絶」ではない「迷い」や「確認」の気配があれば、そこはしっかり粘るべきポイントやと思っています。
こうした「勘」のようなものは、決して特別な才能ではなく、17年以上毎日現場を歩き続ける中で、少しずつ脳に蓄積されてきた「経験のしずく」のようなものかもしれません。
むやみに歩数を稼ぐのが営業ではなく、「自分を必要としてくれる場所を見極め、そこに丁寧に時間を割く」。
それが、無理なく「中の上」を維持し、精神的なパワーを温存しながらこの終わりのないマラソンを走り続けるための、私なりのささやかなプロの作法やと考えています。
さて、次回はこの流れで、現場で不意に訪れる「孤独」との向き合い方について書いてみたいと思います。
ありがとうございました。