一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

一律に外国人だからというのではなく、あくまで私の体験に基づいて日本で一緒に働く事の難しさを述べたいと思います。
前提として、外国人の方が日本語を話すことが出来ず、滞在歴も短い場合とお考え下さい。

1.言語+テクニカル知識の壁
 外国人とコミュニケーションを取る事自体のハードルは低いと思います。
 現在だとGoogle翻訳などを使えば言いたいことを伝える事は出来ますし、喋る事ができなくともチャットやメールを使えばいいのでその点で困る事はないと思います。
 難しいのは、会話する上でテクニカルな知識が相手と同じ水準に達しているかという事になります。
 例えば、日本人同士でもテクニカル知識を持っている人と持っていない人では会話が成り立たず、相手が何を言っているのか理解できないと思います。
 それが、外国人相手だと何度も何度も聞きなおして擦り合わせていくことになりますが、相当な時間をかけるので苦労します。

2.価値観の違い
 個人的にはこちらの方が大変かなと思います。前提となる考え方が違っている場合それを合わせるのは相当難しいです。
 日本人だとこれは当たり前だよね、そういう事情だと仕方ないよねとある程度前提となる考え方が合っていますが、外国人だと理解して頂く事が難しいです。
 例えば、10年前私がエンジニア職をしていた頃、納期が迫って本当にピンチ状態の場面でも外国人の方は家族と過ごす時間を優先にしていました。
 彼らの主張は理解できつつも、ほとんどの日本人が納期に間に合わすため必死にやっていたので感情的には相容れない面もありました。
 特に、40代-50代の方々が主流を占めている現場では今でも個人都合より会社優先といった考え方が強いのではないでしょうか。
 また、セキュリティに対する意識が日本人とは違っていると思います。
 日本人の場合クライアントの貸与PCに指定のS/W以外をインストールすることを避けますが、外国人の場合こっちの方が開発は楽になるからという理由で独自環境を作ることに多大な時間を費やしていました。また入館証を首から吊り下げるルールを守る日本人に対して、外国人はポケットに入れています・笑
 セキュリティ対策はどれだけやったとしても完全に防ぎきることはできず最後は人でカバーしているのが実情だと思います。雇用する方はスキルが高いからといった単純な理由で招きいれるのではなく、背景を理解してリスクを受容しないと落とし穴にはまる可能性があるのでご注意下さい。

個人的には過去の経験を踏まえると言語・価値観の違いによるコミュニケーションロスやコミュニケーションに掛ける時間が増えるという点では、日本人だけでチームを組む方が負担は減ると思っています。

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藤田 智行

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