一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

今回レビューを書かせていただくのは、やまもとりゅうけんさん執筆の金持ちフリーランス 貧乏サラリーマンです。

 

一言で要約すると、サラリーマンは大変だからフリーランスになってお金稼ぎに奔走した方がいいという内容です。

読もうと思ったきっかけは書店で見かけてタイトルに惹かれたからです。

既にフリーランスではありましたが、コロナショックでサラリーマンに戻ることも検討した時期がありましたし改めてフリーランスとして働くということを見つめ直したいと思いました。

 

本を読むときって著者が伝えたいことの中心、本の『核』って言えばいいのでしょうかね、ここを意識しながら一説一説読み進めています。この本ではサラリーマンは大変であるからフリーランスになった方がいい、フリーランスになって稼ぐのには人脈を広げたり既に成功した方がいいから、著者のサロンに入ると効率的に人脈を広めたり成功者に会えたり場合によっては案件の受注もできるし検討してみてねといった感じになります。まぁ、ビジネスとして執筆しているので著者の利益のために多少の宣伝が入ることも仕方ないし本の中で宣伝を挟むこともよくあります。

初っ端から否定的になってしまいましたが、私の視点として感じたことは忖度なく率直に書いて行きたいと思います。以下、章ごとに掘り下げます。

 

第1章 サラリーマンは「最も理不尽な業務形態」である

サラリーマンという働き方とフリーランスの働き方の比較。

私はサラリーマンも一応経験してフリーランスになったので、言っていることはとても的を得ていると思います。サラリーマンが自腹を切るというのは自費でスーツを購入することなどがよくある事例だと思います。私はエンジニアですが入社したことのある会社ではパソコンこそ支給されましたが業務のため使いたいソフトウェアや仕事ためのマウスやキーボードのデバイスなどは自腹を切る羽目になりました。デバイス関連は一日の1/3を過ごすオフィスを少しでも快適にしたいと思っていたので自腹を切ることに抵抗はありませんでしたが…

フリーランスになると自身でお金の管理の裁量権が増えることや、その他責任や環境など決定できる要因が圧倒的に多いので、フリーランスでいることでストレスも少なく働けている感覚はあります。

ただ、著者も言っていますが必ずしもフリーランスがよくてサラリーマンがダメということはありません。決定できることが多いと逆に自分で考えなければいけないことも増えるのでコインの表と裏の関係ですよね。確定申告だったり自分自身で支払わなければいけない保険のお金であったりサラリーマンの方が気楽なことって多いと思います。正直、私もフリーランスとして働いて実力をつけて周りに認めてもらえる状況になれたらどこか条件の良い会社に所属したいという気持ちもあります。色々めんどくさいので笑(もちろんその他にも色々な理由がありますよ)

 

第2章 誰も言わない「お金持ち」の仕組み

資本主義ではお金こそ正義

単純に考えれば分かりますが、お金を持っている人は投資が行えたり勉強資金があって資格が取れたり、稼ぐために取れる択が多いので貧乏人より稼げます。

そのためお金持ちはさらにお金持ちに、貧乏人は現状維持か低落しがちという社会構造が出来上がり貧富の差は永遠に広がります。だったら現在貧乏人は貧乏のままなのかということに関して、著者は稼げない人が口にする『お金が全てではない』『稼げないことに不満はない』という言葉こそが貧乏人マインドを形成して稼ぐことへの足かせとなっていると言います。金銭的な条件は稼ぐことでしか埋まらないので稼げるようになるにはお金持ちのフットワークの軽さなどお金持ちマインドを育み稼ぐために行動することで、お金持ちになれるということです。

本書そのものがお金を稼ぐということに焦点を当てているので、貧乏人マインドを否定することは当然なのですが、ちょっとこの考え方には否定的ですかね。というのも、収入による幸福度は年収800万ほどが頭打ちという研究もあり、お金持ちになるということに焦点を当てすぎることが幸せではないと思います。(一定額まで幸福度は上がるので勿論ある程度までは稼げることはいいことです)つまり、『お金が全てではない』『稼げないことに不満はない』なんて思考は稼げないことへの逃げからここに至った貧乏人マインドではなく、ホントにこう思っている人は大勢いるということが言えると思います。(再三言いますが本書は稼げることを目的としている本なので幸福度の話をあげると論点がズレますし、本の核に従えば何ら間違っていることは言っていないとおもいます)

お金が欲しいって幸せになりたいって一種の感情からだと思いますし、お金を稼ぐという一点に囚われ過ぎない方が良いでしょうね。

 

第3章 「貯金」ではなく「蓄財」に力を注ぐ

財に目を向けろ!

この章は賛同できるなと感じることが多かったです。

一言で言うと貯金は死金になるので金はドンドン使えという話です。

財で代表的なのは知識ですね、お金を使って得られる知識や経験を財として自分に蓄えていく方が単に貯金をするよりも有意義であるということです。

私もあまり貯金はしない派です。勿論ある程度お金の余裕は必要だと感じているので一定額の貯金はしていますよ。ただ、これらはあくまで緊急時に備えてのお金なので、想定したリスクがこない以上は著者がいう通り死金ですし、最近はフリーランスでも失業保険のようなサービスがあるので緊急時への備えというのもそういったサービスを活用してそこまでビクつく必要もないかと思います。

必要以上の貯金は必要なのか考え直すことには価値がありますので、

もっと本を買って自己啓発にお金を使う、尊敬する人に会いに行くためにお金を使う、

貴重な経験を得るために旅行にでも行くといったことを検討してみてください。

 

第4章 「少労所得」を無限に増やす

稼ぐためには商流をあげろ!

自分自身がフルで動くのではなく少しずつ人を動かすことを考えると、受注できる案件数や規模も大きくできますし、稼ぐことができると言う話です。商流をあげるというのは使われる側から使う側にシフトしていくという感覚でしょうか、最終的には案件をもらって仕事を完全に振る側に回っていくと稼げるみたいな…まだフリーランスになって間もないので上の商流の方がどんな働き方をしているのかイメージが湧きませんが、私が仕事をもらっている方ではこのようなエージェント的な立ち位置をとっている方もいます。案件探して来たり場合によっては自分でプロジェクト起こして率先して開発を行うなど。

でも私はまだ若いからでしょうか、上に行くというよりプレーヤーとして最前線で開発など行っていたいんですよね。稼げるようになるとしても働き方のスタンス変えないといけないのなら今のままでいいかなと…(こういうとこがきっと著者の言う貧乏人マインド笑)

というかやるとしてもエンジニアとして稼ぎたいので技術力高めてスキルを売るというスタンスから外れて、人を動かすリーダーみたいになっていくのは違うのかなぁと思っちゃいました。

 

【結論】

結構、私には合わないという意味での否定的な意見が出てしまいました。

とはいえ自身に思考回路があわない本がダメな本なのかというと違うと思います。

自身と反りが合わないからこそ色々と享受しなければいけない価値観も出てきますし、考えるきっかけも生まれますから得られることも沢山あります。

もし、『稼ぎたい』という思考のもとフリーランスも選択肢としている方は、

こちらの本はわかりやすいですから購読をオススメしますし読後感が良ければサロンの入会も検討してみてはどうでしょうか。

会員数も多いようですので実際に得られる情報なども多いかと思います。

私もなんとなく興味ありましたが、色々考えた末ビジネス的な繋がりよりももっと温かい人間関係にベクトル向けたいなと思ってしまい入会やめました笑

 

やまもとりゅうけんさん、稼げるフリーランスとして沢山の知見を共有してくださりありがとうございました!

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小笠原 史人

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