いったん流行すると急速に感染が広がるインフルエンザ。風邪と違って症状が重く、長期の病欠を余儀なくされたり、重症化したりと注意が必要な感染症です。本格的なシーズンが始まる前に、しっかり予防の知識を学んで備えておきましょう。
インフルエンザ流行の時期と接種時期
インフルエンザの流行は、11月~12月頃に始まり、ピークは1月~3月です。予防接種でワクチンを接種してから抗体ができるまで週間、その後1~3.4ヶ月で抗体は徐々に減って行きます。つまり予防接種の効果があるのは抗体ができる接種後2週間目位から抗体がなくなる4ヶ月後(長く見積もって5ヶ月弱)です。流行前までに免疫をつくりたいならば10月中~下旬に接種を、ピークにあわせるならば11月上旬~12月前までに接種を終えるのが良いと言えます。
防接種の推奨年齢
インフルエンザ予防接種の推奨年齢は生後6ヶ月以上です。6ヶ月未満は接種するワクチンの容量が少なすぎるために、効果が証明できないためだそうです。以前は1歳以上とされていましたが、現在は6ヶ月から接種可能になりました。0~59歳は、任意接種で、定期接種は65歳以上の高齢者などが対象で、無料で接種を受けられる自治体もあります。
接種回数は?
13歳未満の小児は2回の接種が必要です。これは免疫力が不安定なので、2回に分けてしっかり免疫をつけるためです。免疫力が低下している高齢者に2回の接種がすすめられるのもこのためです。また、2回のワクチン接種は、ブースト効果といって、より高い免疫力がつきます。このブースト効果は大人・子供の区別なく発動するので、喘息持ちの人や、仕事を休めない人、受験生などは念のため2回の接種をするのもひとつの手です。
予防接種の効果と副作用は?
予防接種で気になるのが副作用。1971年にワクチンの改良が行われ、副作用も少なくなりました。主な副作用としては、・腫れなど局所反応 10~20%・発熱など全身反応 5~10%その他、蕁麻疹などのアレルギー反応が稀に起こる場合があるそうです。いずれも2~3日で治まるようです。命に関わるような重篤な神経症は、200~400万人に1人の割合とのことでした。
予防接種をしてもインフルエンザになる?
結論からすれば、予防接種をしてもインフルエンザを発症する可能性はあります。ただ、発症してしまっても、症状の重篤化を防いでくれるのも予防接種の効果です。予防接種の効果は、成人で1回の接種⇒64% 2回の接種⇒94%とのことで、2回接種のブースト効果で免疫力を上げたとしても6%の人は発症してしまう計算になります。ですが、もしかかってしまっても、死に至る程の重症は80%回避できるそうです。
卵アレルギーですが…
ワクチン精製の際、ウィルス培養に卵の一部を使いますが、精製技術の向上により、ほぼ大丈夫です。しかし、ショックを起こした事がある場合は
事前に医師にご相談下さい。※インフルエンザに限らず、予防接種には賛否両論あります。予防接種の効果だけに頼らず、風邪やインフルエンザにかからないように、日頃の手洗いうがいはもちろんのこと、室温や湿度に気を遣い、栄養バランスの良い食事と十分な睡眠をとるなどして、私たちが本来持つ免疫力も最大限にアップして冬を乗り切りたいところです。