娘の幼稚園の先生が、「小学校に入学したらいっぱいお友達作ってね。先生はちょうど卒園した春にお引っ越ししたからお友達がいなかったの。それで、入学式の日、前の席のお友達の名札をチラッと見て『◯◯ちゃんって言うの?私は△△。よろしくね』って自分から話しかけたんだよ。」と新しい環境での友達づくりのテクニックを娘に伝授して下さった。
入学したての我が家の末っ子は果たして実践しただろうか…?
娘の友達づくりはさておき、コミュニケーションのテクニックとして、会話の中に相手の名前を入れるのは理にかなっているという。心理学で「ネームコーリング」と呼ばれるテクニックらしい。かくいう私も、頂いた名刺をチラチラ見ながら無意識に話題に組み込んではいたが、改めてノウハウとして存在していることを知った。
ところで、最近の小学生の名札にはある工夫がされている。名札上部には安全ピン。その下に切り込みが入っている。名前や学年を書いた下の部分が、安全ピンが付いている名札上部と別構造になっており、クルリと裏返せるのだ。
ご記憶にある方もおられるだろう。数年前、帰宅途中の中学生に、持ち物に書かれた名前を見て親しげに声をかけ、誘拐した事件があった。
ネームコーリングの悪用かと思うとなんとも言えない怒りがわく。
学校にいる間は名札を表向けて過ごすらしいが、うっかり裏返っていたら名前を呼ぼうにも名前がわからないではないか。先生直伝のテクニックを駆使する以前に、「名前教えて!」からスタートせねばならないとは。
友達づくりのハードルは高くなったものだ。