一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

フリーランスエンジニア4年生の小幡です。
決済系システム、会計システムを扱う開発チームでSLをしています。

現場で感じたことを投稿します。
今月のテーマは「半人前のエンジニアを現場で教育してはいけない」。

半人前のエンジニアは鍛えようとしてはいけない、切るしかない。
そんな教訓のお話。

半人前のエンジニアというのは、自走できないエンジニアと定義させてください。
自走ができないということは、1人で仕事ができないってことです。

そうすると上位から教育依頼が来ます。
今回は結構厳しい内容でした。

技術力を上げてほしい。
報連相をできるようにしてほしい。
わからないことは聞いて進めるようにしてほしい。
エンジニアとして報告すべきことを報告させるようにしてほしい。

なるほど。新人かな?と思いつつプロジェクトを進め、
会話を重ねると、エンジニア素養がわかってきます。

報連相がほぼなく、コミュニケーション能力が低く、技術力がほぼない。
いわゆる何となく業界に来て、何となく仕事で覚えた知識だけでやってるタイプ。

唯一良いところは、人間性がきちんとしてる。
なぜ採用したのかというと、ここまでできないと思わなかったとのこと。(あるある)

この時、現場のメンバーという立ち位置の人に教育をするためには
「魚を与えず、魚の取り方を教える」方法になる。

現場で力をつけてもらうには、成果が必要だからだ。

作成された設計をいつもよりも丁寧にレビューし、いくつかの指摘と修正方法を送る。
できないところは何度も説明してあげる。叱りはしない。
他のメンバーにもサポートに入ってもらい、フォローアップの体制も整えた。

あとは本人が頑張るだけだ。

が、ここが難しい。

頑張るのは仕事じゃない。本人は本人なりに頑張っているからだ。
難しいのは、自分の心に負けないよう頑張ること。

そして、数週間後に営業経由で連絡が来た。離任希望の連絡だ。
離任理由は「現場に迷惑をかけるのがつらい」だった。

今の現場は我々ベテランにとっては、非常に良い現場だ。

スケジュールに理解があり、教育に前向きで、
面倒見の良いメンバーが複数人居て、やることやれば何も言われない。

そんな環境でも、彼女は助けを求められなかった。

なぜかというと、「心も半人前」だからだ。

半人前だから、周りと自分を比べて劣等感や無力感を覚える。
半人前だから、教育されると自分はできないと思い知らされる。

半人前だから、誰かに助けを求めることも重荷だ。
助けを求める自分が情けなく。自分が変なことを言ってるんじゃないかと恐怖心に襲われる。

「半人前」は教育してはいけない。

教育や成長を求められると、どんなに良い環境の現場でも、とても厳しい環境になる。

現場のため、本人のために、情をもって切るのが優しさなのだ。

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