「産後に骨盤が開いた」
「開いた骨盤を締めると痩せる」など
よく耳にするワードですが…
そもそも骨盤が開くとは⁉️
本当に骨盤は開くのか⁉️
実は専門家の中でも
意見が分かれているのも事実です。
今回は骨盤の開きについて
理学療法士として
骨、関節、筋肉の仕組みから
お伝えできることを解説していきます。
骨盤は下記の画像のように寛骨・仙骨・尾骨という3つの骨で構成されています。
妊娠すると、ママの身体には出産のための準備としてリラキシンというホルモンが出ます。
リラキシンは骨と骨の繋ぎ目を緩めるホルモンで
これにより出産時に赤ちゃんは子宮口を通りやすくなります。
また、リラキシンの働きにより妊娠中は仙骨と寛骨のつなぎめである仙腸関節靭帯が緩みます。
分娩時に開くのは骨盤全体ではなく恥骨結合という部分で約3-4cm程開くと言われています。
恥骨結合は分娩後は
正常な位置に戻ります。
(戻らない場合は恥骨結合離開という症状にあたります。かなりの痛みを伴うため受診が必要な状態だと言えます)
仙腸関節はもともと3-5mmしか動かない関節です。
しかし、上半身と下半身を自由に動かすための
土台となる部分の1つであり数ミリのズレでも
痛みや不安定さが生じてしまう部分です。
産前産後はお腹が大きくなったり抱っこや授乳などで姿勢や身体の使い方が変化する方が多いですが、そこに仙腸関節靭帯の緩みがプラスされて全身のバランスを取ろうと骨盤が左右、前後に、時には捻れるように傾くようになります。いわゆる骨盤が歪む状態になります。
◇解剖学的には
骨盤自体が横に開くわけではない!
◇ホルモンによる仙腸関節靭帯の緩みが
骨盤の歪みに繋がることが多い
◇骨盤が歪んだ状態のまま、
筋肉や脂肪がつくことで
骨盤周りのサイズが大きくなる。
↓
骨盤が大きくなった、
骨盤が開いたような印象を受ける
理学療法士の観点から骨盤の開きについてお話させて頂きました!
開いた、閉じたという言葉に惑わされずご自身の骨盤の状態を把握して、不調を改善していきましょう。