皆さんのご自身の健康を保つために必要なものとして5つの要素があります。
今回と次回はそのうちの③食事について説明をしたいと思います。
当然ながら、私たちの身体は何からできているかというと、私たちが食べたものから出来ています。
それゆえに、食事と健康は切って切れない関係があります。
紀元前5世紀のギリシア人で、医学の祖と言われる“ヒポクラテス”は次のような言葉を残しました。
「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」「食べ物で治せない病は医師も治せない」「人は自然から遠ざかるほど病気になる」
また古代中国でも食事は健康に密接にかかわるものとして「薬食同源(日本では医食同源とも言われます)という言葉があります。
ただ、食事というと栄養素が足りているのかいないのか?ばかりに注目が行きがちですが、そう単純なものでもないんですね。
ここでは全体像を把握してもらう事が目的なので、深い話は今後にして、浅く広い話のみさせていただきます。
何のために食事を摂るのかというとそれはもう「栄養を得るため」ですね。
じゃあ栄養って何なのかというと「食べ物の中に含まれる物質のうち、生命活動を営む上で身体に必要な成分」の事です。
栄養素は主に「タンパク質」「脂質」「糖質」「ビタミン」「ミネラル」に分かれ、これを「5大栄養素」と言われます。
「タンパク質」は主に身体を構成する素材となり、「脂質」「糖質」は身体を動かし、熱を産み出すエネルギー源とされます。そして「ビタミン」と「ミネラル」は体内でのいろいろな化学反応を促進するのに不可欠な微量物質で、生命活動の重要な調整・促進役です。有機化合物(炭素を含む化合物)をビタミンと言い、無機物(水素、酸素、炭素、窒素以外のもの)をミネラルと言います。
また人間が消化できない糖質である「食物繊維」は、実際は腸内細菌によって分解されて、栄養として回収されていたり、整腸作用や血糖・血中コレステロールの調整など、さまざまな働きがあることで「第6の栄養素」として注目されています。
ここで重要なのは
・現代人は糖質・脂質は過剰摂取の傾向、タンパク質は不足傾向。
・ビタミン、ミネラルは欠乏症を引き起こすほどではないものの不足しやすい。
・精製された食品が増えている事から食物繊維も不足しやすい。
といったところに注意が必要です。
実は、摂取カロリーは足りているものの、特定の栄養素が不足して身体に不調をきたす「新型栄養失調」が増えています。
そしてそこから糖尿病や高血圧など生活習慣病に至る場合もあります。
現代日本はカロリーは取りやすいものの、かなり注意しないとバランスよく栄養を摂る事が出来なくなっています。
栄養バランスの崩れは全身の不調や、内臓の不調として現れます。また筋肉や骨格の問題も間接的に栄養の問題から生じている事もあります。
その場合、身体の反応を見て、どういった栄養が足りてないか見極める事も出来ます。
整体というと筋肉骨格のケアだけだと思われがちで、「これは整体院に相談する事じゃないな」と思われていた事でもお役に立てる事はたくさんあります。とりあえずは何でもご相談くださいね。
栄養に関しては、同じ食材でもモノによって栄養価が違ったり、食べ方によっても違ったりするのですが、話が長くなるので次回にお話ししたいと思います。