一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

最近、食糧自給率の低下が問題だと言われています。コンビニやスーパーに行けば食材やお惣菜は十分すぎるほど棚に在庫はありますし、食べ物が少なくなってきたという危機感はさほど感じられないな…というのが一般の方の感覚でしょう。

そもそも食糧自給率というのは、どのような仕組みで計算しているのかもよくわからないというのが実情ではないでしょうか。

農林水産省のHPに掲載された解説によれば、

「食料自給率とは、我が国の食料供給に対する国内生産の割合を示す指標です。
その示し方については、単純に重量で計算することができる品目別自給率と、食料全体について共通の「ものさし」で単位を揃えることにより計算する総合食料自給率の2種類があります。このうち、総合食料自給率は、熱量で換算するカロリーベースと金額で換算する生産額ベースがあります。」

と説明されております。

私たちが最近ニュースなどで耳にして問題視されているのは、カロリーベースでの総合食糧自給率の指標のことです。

カロリーベース総合食料自給率は、基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)に着目して、国民に供給される熱量(総供給熱量)に対する国内生産の割合を示す指標です。

例えば、令和3年度の統計からカロリーベース総合食料自給率を見てみると下記のようになります。
=1人1日当たり国産供給熱量(860kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,265kcal)
38%

この数字を見てわかると思いますが、1人1日あたりに必要とされるカロリーの中で、国内生産でまかなえるカロリー量は約38%です

つまり、もし仮りに海外からの食料輸入が0になってしまった場合、国民の10人に6人が飢餓状態になるということになります。明日から食料輸入が全くの0になってしまうということはありませんが、これが戦争や世界規模での飢餓が発生した場合、国内での飢餓は一気に現実のものとなってきます。

日本は元々、山河も豊かで気候も比較的温暖であり農業生産に秀でた国であります。ですから、まずは輸入に頼ることなく自国の農作物で自らを賄えるだけの生産料を確保していくことが急務といえます。(つづく)

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栗原 正德

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