電子機器を製作するにあたって回路図を描いたら回路の試作を必ず行います。
設計の意図する通りに動作するか?
使用する部品は適切か?
調整は必要か? 等をチェックするためですが、1990年以前は大体リード線の付いた部品が多数を占めていましたので
よほど規模の大きな回路でない限り、ユニバーサル基板と言って部品を取り付ける穴が1インチピッチで空いた基板を
使い手配線での制作がほとんどでした。
ところが、機器の小型化に伴い部品も小型微細化してきたことからICの足のピッチが0.5mm、とかになるともう手配線による
制作はほぼ不可能(ただし、同じICでも形状が複数存在するものもあり)となってしまい、現在では、試作段階から基板化して
動作検証をすることが当たり前になりました。
物によっては試作段階はデバッグをしやすくするための基板を作って検証でOKが出たのちに本番用の基板を製作して再検証
する場合もあります。
ところが、基板は設計のほかにフォトエッチング用のフィルムの制作などが必要で、電子機器開発の中でもかなりお金と時間が
かかる部分でもあり、基板の制作しなおしはかなり嫌われます。
一発で上手くいく基板はまずないと言っていいでしょう。
量産品ならば、多少の金は掛けますが小ロット品などは、基板の改造で済ます事も多いです。
近頃は、個人でも頼める小ロットでも制作してもらえる基板メーカーもあり、設計も自分でこなせばコストを下げることも可能になってきました。
基板と書いてきましたが。プリント基板と呼びますが、今のハイテクを支える縁の下の力持ち的存在で基板の設計ひとつでちゃんと動作したり動かなかったりと、設計にはそういった電気回路の知識と決められた面積に部品を適切に配置するパズル的なセンスも必要になります。