一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

花火を無料で見上げられる時代が去ろうとしている。今年はバリケードを張り巡らした自治体まで。

いつから万人のものでなくなったんだろう?

 

着火してから上空で花開くまでの静寂に価値を見出したり、華やかさと儚さに粋を感じたり。日本人の気質に合うのだろう。時代を経ても花火に心躍る人は少なく無いはずだ。

 

幼い頃、郷里の田圃の真ん中に、花火小屋があった。町内のおばあちゃん数名が火薬をこねて丸くしたり、紙を乾かしたりしていた。危ないから近寄らないように町内の大人たちには言われていたが、気になってよく覗きに行った。おばあちゃん達の皺だらけの指や、足腰をさすりながら作業していた姿を思い出すたび、花火が上がって消えていくのが嬉しいような、もったいないような気持ちになった。

 

物価高に加え、観客のマナーの悪さによる後始末の費用、警備員の人件費、コロナ禍でのスポンサー離れ…そりゃ花火も無料でやるには限界だろう。有料でいいから続けて欲しいし、日本の花火の技術を継承して欲しい。

 

無料で花火を見上げる日は戻ってこないかもしれないが、法外な有料席の売買やバリケードが無くなり、それぞれが気持ちよく花火を愛でることができる世の中になって欲しい。

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藤野 将平

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