企業価値算定方法は多岐にわたり、案件により異なる方法が使用されます。よく使用される具体的な企業価値算定方法を前回から3回に分けてご紹介しています。
①時価純資産方式(コストアプローチ)
②類似会社批准(比較)法(マーケットアプローチ)
③DCF法(ディスカウンテッドキャッシュフロー法)
今回は③DCF法(ディスカウンテッドキャッシュフロー法)について説明します。
■DCF法(ディスカウンテッドキャッシュフロー法):
インカムアプローチの一形態で、企業の将来のキャッシュフローを評価する方法です。企業の将来の収益性やキャッシュフローの予測に焦点を当てます。
DCF法の主要なステップは次の通りです:
企業の将来のキャッシュフローを予測します。通常、将来の収益、経費、税金、償却、投資などを詳細に分析します。
予測された将来のキャッシュフローを現在価値に割り引き、その合計を算出します。割引率(通常は資本コスト)は、キャッシュフローの時間価値を考慮に入れるために使用されます。
現在価値の合計が企業の評価となります。DCF法は、企業の長期的な価値を評価するために使用され、将来のリスクと成長の要因を考慮に入れます。
これらの評価方法は、M&Aの決定や企業評価において、異なる情報源とアプローチを提供し、組み合わせて使用されることが一般的です。