小規模事業者持続化補助金の第13回締め切り分の採択発表が11/27にありました。
その採択結果を踏まえ、前回に引き続き、補助金申請に関する疑問にお答えいたします。
今回は
「どのような計画が不採択となるか」
についてお答えさせていただきます。
持続化補助金の採択結果を振り返って
まずは今回の持続化補助金の採択結果の振り返りをさせていただきます。
当社では、自社での支援先・受託した支援先含め、13件の申請を支援させていただきました。
その結果は、9社採択(採択率69.2%)ととなりました。
ちなみに、当社開業後の自社支援先については、第12回締め切り以降は、7社中6社(採択率85.7%)の採択率となっています。
これらのデータを踏まえ、どのような計画書が不採択となっているかの傾向が見えてきましたので、解説させていただきたいと思います。
なお、補助金事務局の採択結果を分析すれば別の結果となるかもしれません。何卒ご了承ください。
どの様な計画書が不採択となっているか
事業再構築補助金やものづくり補助金であれば、不採択理由を補助金事務局に問い合わせることが可能です。しかし、小規模事業者持続化補助金については、理由の開示がありません。そこで改めて計画書を見直し、不採択理由を考える必要があります。
補助金の計画書を見返してみると、
「しっかりとした計画書を作成しているのに何で不採択になるの?」
と感じる方はたくさんいるかもしれません。
しかし、よく見ると下記のような傾向はありませんでしょうか。
①市場動向や強みの説明をただ羅列しているしているだけ。
②設備投資項目のみの計画書となっている。
③補助事業計画で行う内容に一貫性がない。
その他にも、不採択となる理由はたくさんあると思いますが、今回は、代表的な上記の3つについてお話をさせていただきます。
①市場動向や強みの説明をただ羅列しているしているだけ。
様々な市場動向等をネット検索して、計画書に掲載すると、非常に見栄えが良くなります。これ自体は悪いことではないですが、なんとなく「しっかりした計画書」を作れた気分になってしまうことが問題です。
あくまでも、補助金の持続化補助金の事業計画は、強みを活かすことと、強みを活かせる市場であることを踏まえた取り組みを計画しないとなりません。
ここで記載した市場動向や自社の強みが後に記載する補助事業の取り組みに繋がらない内容ですと、不採択となる可能性が高くなります。
②設備投資項目のみの計画書となっている。
補助金を使って設備投資をすること自体は悪いことではないのですが、
持続化補助金は「販促」のための補助金となります。
導入した設備が、どのようにして売上の向上につながるのか説明できていないと、不採択の可能性が高くなります。どんなに良い設備、サービスを取り扱っても、それをどのようにターゲットに伝えていくかという視点がないと、事業としては実現可能性が低いと判断されてしまいます。
③補助事業計画で行う内容に一貫性がない。
「せっかく補助金がもらえるならあれも買いたい」
「せっかく補助金がもらえるならあれもやりたい」
この気持ちは非常に良くわかります。
しかし、補助金申請では、「強みを活かして機会を捉える」ことが重要であり、それを具体的に示していくためには、補助事業で「お客様のニーズ」にどのように応えていくかを明確にする必要があります。
それに対し、やりたいことを徒に羅列してしまうと「ターゲット」という認識がぶれてしまいますので、やはり不採択となる可能性は高くなってしまいます。
補助金の採択を本気で狙いたい方へ
以上、簡単にですが、不採択となる代表的なケースをご紹介してまいりました。
こちらを振り返ると、改めて下記の2点が大事であることが伺えます。
・自社の分析を事前に行って、進むべき領域を認識していること
・進むべき領域、ターゲットに適したアプローチをすること
補助金申請には期限がありますので、焦って申請をしたい気持ちはよくわかります。
しかし、やはり事前に「自社の経営の状況」や「解決しなければならない課題」が明確でないと、ただ申請に時間がとられてしまい非常にもったいないと思います。ぜひ、上記を十分に認識いただき、申請期限よりも余裕をもって計画を構想していただくことをお勧めいたします。
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