一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

現在公募中の補助金について


現在、様々な補助金が公募されていると思いますが、中でも相談の多い「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」についてご紹介させていただきます。これまでも同様の補助金の公募はございましたが、今年の募集分については、従来のものよりも、要件が追加されたり、申請方法に変更等がございましたので、その点にも注意が必要です。

 

ものづくり補助金について


※ものづくり補助金18次公募要領より抜粋(公募要領を確認する場合は画像をクリックしてください)

現在募集中のものづくり補助金は、17次締切分として「省力化(オーダーメイド)枠」と18次締切分として「製品・サービス高付加価値化枠 」「グローバル枠」があります。また、製品・サービス高付加価値化枠 の中には、「通常類型 」と「成長分野進出類型(DX・GX)」の2つがあります。

 

DXやGX、グローバル枠の場合は、当てはまらない方が殆どと思われるため、以下では「省力化(オーダーメイド)枠」と製品・サービス高付加価値化枠の「通常類型」に焦点をあててご紹介させていただきます。

省力化(オーダーメイド)枠について


省力化(オーダーメイド)枠の定義は下記の通りとなります。

 

人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援します。

 

ここで重要となるキーワードは、以下の2つです。

・デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)

・生産プロセス・サービス提供方法の効率化

 

まず、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)とあるように、今回の省力化(オーダーメイド)枠では、オーダーメイドの設備投資を行わなければなりません。つまり、単なる機械購入や既成のシステム導入等は対象にならず、申請企業の特性に応じたカスタイマイズ、またはゼロからの構築が必要となります。

 

また、生産プロセス・サービス提供方法の効率化についても、定義があります。

・設備投資前と比較して労働生産性が2倍以上となること

・3~5年以内に投資回収可能な事業計画であること

 

労働生産性は、労働生産性は「付加価値額/(労働人数×労働時間)」の式により算出することとされています。ここでいう付加価値額とは、「営業利益+人件費+減価償却費」により求めることができます。

 

投資回収可能な事業計画であるか否かは、「投資額/(削減工数×人件費単価)」により算出することとされております。ここで重要なこととしては、今回の投資によって、「工数の削減が図れること」となります。工数の削減がない、もしくは少ない計画ですと3~5年以内に上記の計算式で投資額を回収することは難しくなります。

このように、ものづくり補助金17次締切分の「省力化(オーダーメイド)枠」では、上記の内容を計画書に組み込む必要があります。

 

製品・サービス高付加価値化枠の「通常類型」とは


通常類型では、通常と言いながらも、重要なポイントが追加されています。

まずは、公募要領上の定義をご紹介させていただきます。

 

革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援します。

 

こちらに記載のあるように「革新的な製品・サービス開発」が通常類型では必須となります。

つまり既存事業の高付加価値化ではなく、新たな製品やサービスの提供開始が必要となります。こちらも公募要領上に追加要件として定義されており、下記のように記載されています。

 

事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること

 

つまり、新たな製品やサービスの開発を行うための設備投資等を行い、かつそれにより実現できる売り上げが事業計画期間内(3~5年以内)に会社全体の売上のなかで、構成比10%以上となる必要があります。

小規模事業者持続化補助金とは


※小規模事業者持続化補助金<15回>ガイドブックより抜粋(公募要領等を確認する場合は画像をクリックしてください)

小規模事業者持続化補助金とは、下記のように定義されています。

 

小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度

 

上記でポイントとなるのは「小規模事業者であること」「販路開拓の取り組みであること」の2つです。

 

まず、小規模事業者とは、従業員数によって判断されます。飲食店や小売店、サービス業などでは、従業員数が5名以下の場合を言い、建設業や製造業では20名以下の場合を言います。この人数には、経営者本人や役員などは含みません。またパートやアルバイトも通常は含みません。

 

次に、販路開拓の取り組みとは、補助金を行ってやりたいことが「売上の向上につながるか」ということとなります。つまり、何か設備を導入することで「新製品ができる」や「提供力が向上する」、販促(ホームページやチラシ等)によって客数・客単価が向上するといったストーリーが描けることが重要となります。

こちらの補助金は2014年ごろから始まった制度ですが、その間に多くの変遷を遂げてまいりました。今回公募している分についても、前回以降大きな変更がございましたので、下記に紹介させていただきます。

小規模事業者持続化補助金の変更点について


前回以前の公募からの大きな変更点として、電子申請のシステムが新たに開始となったことが挙げられます。これまでも、電子申請のシステムはありましたが、新たに独自のシステムとなり、これまでは申請の入り口が別であった商工会地区、商工会議所地区の両方の申請窓口が統一され分かりやすくなりました。

しかしながら、電子申請のシステムが変更となったことで、大きく変化したことがあります。それは事業計画書への記載内容が更に細かく指定されるようになったことです。

以前までの持続化補助金では、様式上、下記の項目を記載することとされていました。

こちらが今回の公募以降では下記のように更に細かく指定されています。(電子申請のシステム上入力欄が下記のように指定されています)

 

これまでも当社で支援している企業様には、上記のような項目を記載することは、アドバイスとして行っておりました。それが今回より、必須記載事項となりました。(郵送申請は別ですが)

また、これまで挿入していた画像や表についても、電子申請システム上では、比較的自由度高く入れることができるようになっています。しかし一部機能については、Wordで編集するようにはいかなくなっておりますので、完成度の高い計画書で申請するためには、若干の工夫とテクニックが必要となりました。

これ以降については、当社の企業秘密となりますので、もし気になる方がいらっしゃれば、申請に関する支援とアドバイスをさえていただきますので、ぜひお問合せいただければと思います。

各補助金の申請期限について


各補助金の申請期限については下記の通りとなります。すでに締め切りまで2週間を切っているものもございます。申請を希望される方は、一刻も早く取り掛かることをお勧めいたします。

<ものづくり補助金>

・17次・・・・3/1締め切り

・18次・・・・3/27締め切り

<小規模事業者持続化補助金>

・15回・・・・3/14締め切り

※様式4の発行申請締め切りは3/7

おわりに


補助金申請は、期限があるものとなります。また、仮に申請し採択となった場合でも、いつからいつまでに行わなければならないと期間の制約があります。補助金活用はタイミングが非常に重要となりますので、もしご興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。

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【商工会議所の元経営指導員、企業経営アドバイザー】 "補助金・融資に強い”経営コンサルタントです! ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にご相談ください。

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