今回は、前回紹介した倒産防止共済の注意点について説明したいと思います。
倒産防止共済の加入条件等を列挙します。
・加入条件は、開業後、1年以上経過していること
・積立金は、最大800万円まで
・40ヶ月以上納めていないと、掛金(解約手当金)全額が受け取れるわけではない
・解約手当金は雑所得となるため、事業所得同様に総合課税の対象となる
まずは、40ヶ月以上納めていないと解約手当金が全額受け取れませんので注意が必要です。これは積み立てた金額の大きさではなく、あくまでも期間の制限ですので、少額でも40ヶ月に到達するまでは積み立てていくことをお勧めします。
次に、課税についてです。解約手当金を受け取る際は雑所得となりますので課税対象となります。課税されてしまうならば節税にならないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、それはケースバイケースです。また、解約タイミングを誤ると逆に税金が増えてしまうので注意が必要です。
例えば、売上絶好調のタイミングで解約手当金を受け取ってしまうと、さらに所得が増加しますので、場合によっては課税率が上がってしまって、逆に税金を多く納めることになってしまいます。逆に、諸事情により売上が大きく減ってしまった際は、それを補填することができ、さらにその額が通常時の課税率よりも低ければ、結果として節税になるというわけです。
前回も説明しましたが、共済の趣旨としては事業が不調であった際の補填のようなものですので、基本的には保険であると捉えつつ、ケースによっては節税も可能であると考えておくとよいかと思います。
興味がある方は参考にしてみてはいかがでしょうか。