皆様いかがお過ごしでしょうか。
前回に続いて「思考停止」に関して、そうならないために、考え巡らせたことを記していきます。
あらゆる物事は、それぞれ様々な側面を持っています。
人間もそうです。長年付きあって、いろいろ分かっていると思っている友達であっても、ひょんなことで意外な一面を発見することがあります。
ところが思考停止状態に陥ってしまうと、そうした様々な側面に気が付けなくなってしまいます。考えるのが面倒になるため、物事や人物の一面にだけ光を当てて、それで分かった気になってしまう場合があります。
例えが適切でないかもしれませんが…
ある国への制裁を強化すべきだとの世論が多数を占めていたとします。その国が国際社会からの批判にもかかわらず、核実験やミサイル発射実験をし続けたり。
その国のリ一ダ一には強い憤りを感じますが、その国で暮らしているのは彼らだけではありません。そこには支配者とは関係のない一般の国民が存在します。さらに、指導層に捕まえられた政治犯などもいるでしょう。
その彼ら(支配者層以外)に視点を移したとき、「今、行なっている制裁を強化したら、これらの人々はどうなるだろうか?」という、新たな問いが沸いてきます。
こんなふうに対象となる物事や人を一面的に見るのではなく、多面的・立体的に見ていくことで、「全体」を意識できるようになり、こうした意識が、対象の「本質」に少しずつ近付けてくれるのではないでしょうか。
今月は、この辺りで失礼いたします。