一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

我々IT業界は、リモートワーク全盛の今日この頃ですが、「社内外の曖昧な指示しかできない依頼者」と「指示したことの半分もできない作業者」が表面化してきてるように思いますが、これらは「”分かる”の問題」に集約されるのではないかと考えており、現場でのコンサルティングでもこの問題を解消する方法について重点的に指導しております。

上司から「この基本設計書をもとに詳細設計を進めてください」と依頼され、部下が「分かりました」と返事が来た時、このやり取りの中には(日本語&IT業界用語として)意味不明のキーワードが全く出てこないため、何となく指示が完結したように錯覚することがありますが、この指示を受けた部下は後で「自分が理解できる範囲でのみ指示を受け取った」ことに気づくことになります。
そして、部下は上司とのコミュニケーションの中で「指示者の指示に潜んでいる曖昧な隙間を埋める作業」と「自分の理解を超えた依頼部分を可視化する作業」を確実に実施しないと、必ず一週間後に「全く違うじゃないか、やり直し!」となってしまうことが高確率で発生します。(明確な指示ができない上司の「とにかく、やってみろ!」プレッシャーに負けて、不十分なゴールイメージの理解のまま、実作業に着手してしまうということもあると思います)

これを解消する方法はシンプルで「私が理解した内容はこの通りです」と「(口頭ではなく)書き物」で折り返すことです。
但し、この折り返しを実施した際に相手側にも同じく「分かる」の問題が発生します。そして、このやりとりは収束するまで続くわけですが、一般的には双方一回ずつ、よほど両者のスキルが低い場合でも二回程度実施すれば、ゴールイメージが可視化され、作業を進めながらのQ/Aでやり直しにならずにゴールに向かうことができるようになります。

みなさん、「分かって」いただけたでしょうか。w

 

The following two tabs change content below.

白井 千晶

フリーランスのグローバルITアドバイザです! (1)オフショア開発支援 (2)開発プロセス改善 (3)プロジェクト管理・PMO (4)システム企画・要求開発支援 (5)製品/サービスの海外展開支援

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア