高校時代の私の話をしたいと思います。勉強もそこそこ、運動もそこそこの地元の公立校でしたが、硬式野球部は、強豪校並の厳しさでした。俗にいう『説教』というのを初めて体験しました。
200メートル先に先輩を見かけたら、それが校内、校外のどの場所だろうと、腹の底から全力の挨拶、練習中は、絶え間なく全力で声を出し続け、声はすぐに枯れました。グラウンド内でどんな近距離でも歩く事は許されませんでした。昼休みも、体育館のステージでひたすら声出しと、体操の練習。今考えれば、恐ろしくパワハラです。主に1学年上の2年生から指導されます。まっくらな部室の中に一人一人呼ばれていった事もありました。手を出される事はなかったですが、怒鳴られるだけでも、当時まだ15歳の年齢にしては、かなりの衝撃でした。
ただ、これは入部から最初の2か月程度で終わりました。3年生が最後の夏に負けて、新チームとしての活動が始まると、怖かった一つ上の先輩たちは一気に優しくなり、チームの戦力として認めてくれるようになります。何より、これが嬉しかった。自分は、中学校の時は自信に満ち溢れた投手で、高校野球は甲子園で勝てる投手を目指していました。そんな中で、あれだけ怖かった一つ上の先輩が、自分の力を認めてくれていたという事が嬉しかったのを覚えています。
それでは、次は、高校野球が、プロスポーツの現場で働く際にどう生きるのか、これをお話したいと思います。