【最強の外交家】❸
また、駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディは、当初日本については「日本悪玉史観」に凝り固まって、厳しい目で見ていた。キャロラインは、ジョン・F・ケネディの娘であり、アメリカではプリンセスのような存在だ。
そのキャロラインは、安倍総理と接するうちにどんどん魅了されるようになり、日本に来る高官らに、ことあるごとに「いいから一度、安倍首相に会ってみなさいよ」と勧めていたという。
そして、安倍総理の訪米に先立って、オバマ大統領に「安倍首相は信頼できる人だ」と主張し続けた。安倍総理もこのような大使の好意に応え、安倍総理を尊敬しているというキャロラインの息子の誕生日にサプライズで登場するなど、さらに大使を感激させた。
安倍総理に魅了されたのは、安倍総理と会ったことのあるほとんどの首脳が安倍総理に魅了されていったのだ。
もちろん人柄だけではない。某国のようにカネにモノを言わせて強権的に迫るのではなく、その国のために日本が何をできるのか、真摯に考えて提案する姿勢も受け入れられていった。
例えば、途上国の首脳と会談する際、「こうしたことをしてもらいたい」といった要求の羅列になることがあるが、そのような場合、「今日伺ったご要望に対しては、別途よく検討のうえ、対応させていただきます」といった決まり文句程度の答えしか用意されていないのだが、
安倍総理は、「その川のダムについては、いまこのように具体的に検討していますが、非常に予算が膨らんでいますので、そちらでも計画のスリム化を、是非ともご検討いただきたい」、といった感じで、その一つひとつにも丁寧に答えていた。
途上国の大統領などは、「この人は違う」と、大変感動したという。