一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 安倍晋三は何を残したのか〜世界の真ん中で咲き誇る日本〜34

【最強の外交家】❹

また、首脳会談は事務レベルで話し合われたことを確認し合うセレモニー的なものであったが、安倍総理は違った。

重要な交渉はなるべく首脳同士2人きりで話し合い、相手の真意をつかみ、こちらの真意も伝え、お互いの妥協点を導き出して行った。このように、本当の意味での首脳外交をした首相は、日本の歴史上、安倍総理ただ一人であった。

そして、言うべきことは相手がどの国であろうと躊躇なく言っている。

例えばアメリカから、「ロシアにあまり行くのはいかがなものか」と言われると、「我が国は平和条約締結問題という各国が抱えていない問題があるので、私は国益をかけてロシアと対話しなければならない」と、一切の躊躇なく答えている。その瞬発力たるや、見ている側にとって凄いものがあったという。「リーダーとは、かくあらねばならないのだ」と感じさせた。

このような外交を世界各地で繰り広げ、中国によって赤く染められていたオセロの石は、一つ、また一つの日本色、安倍色に変えられていく。

習近平との直接対決でも完全に優勢だった。2019年、日中韓首脳会談で、習近平と単独会談した際、香港弾圧問題に続けてウイグル弾圧問題を取り上げている。「透明性のある説明をしろ。人権弾圧をすぐにやめろ」と強く要求した。習近平は文句を言い返すことはできなかった。

貿易戦争を仕掛けてきているトランプ大統領を制御できるのは安倍首相しかいないため、何も言い返すことができなかったのだ。安倍外交は、国際政治の舞台で、完全に中国を圧倒したのだ。

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