今回は同じような効果を持つ窓フィルム施工と窓コーティングについてです。
その違いは何? かを 簡単に解説します。
窓フィルム施工と窓コーティングは、どちらも窓ガラスに何らかの機能を持たせるためのものですが、その仕組みと特性に大きな違いがあります。
窓フィルム施工
仕組み: 窓ガラスの表面に、特定の機能を持たせたシート状のフィルムを物理的に貼り付けます。
主な特徴:
- 飛散防止: 地震や台風などでガラスが割れた際に、破片の飛散を防ぎ、二次災害を軽減します。
- UVカット: 紫外線を大幅にカットし、家具やフローリングの色あせ、肌の日焼けなどを防ぎます。
- 遮熱・断熱: 夏は日差しを遮り室内の温度上昇を抑え、冬は室内の熱が外に逃げるのを防ぎます。
- 防犯: フィルムの種類によっては、ガラスを破るのに時間がかかるようにし、侵入を防ぐ効果があります。
- 目隠し・プライバシー保護: ミラータイプやすりガラス調のフィルムなど、外部からの視線を遮る効果があります。
- 施工の柔軟性: 豊富な種類やデザインがあり、目的に合わせて選べます。
- 耐久性: 一般的に条件によりますが、10年~15年程度が目安とされていますが、種類や環境によって異なります。経年劣化により白濁や剥がれが生じる可能性があります。
- 形状の制約: 湾曲したガラスや複雑な形状の窓には施工が難しい場合があります。また、複数枚のフィルムを貼る場合、継ぎ目が目立つことがあります。
窓コーティング
仕組み: 窓ガラスの表面に、液体状のコーティング剤を塗布し、化学反応によって薄い膜(ガラス被膜など)を形成させます。
主な特徴:
- 撥水: 水を弾きやすく、雨垂れによる付着を防ぎます。
- UVカット・遮熱: 特殊な成分を含んだコーティング剤により、フィルムと同様に紫外線や赤外線を吸収・反射し、室内の快適性を向上させます。
- 美観性: コーティングは非常に薄い膜のため、透明度が高く、施工していることがほとんど分かりません。景観を損なうことがありません。
- 施工の自由度: 湾曲したガラスや不規則な形状の窓にも塗布できるため、様々な形状の窓に対応可能です。継ぎ目もできません。
- 耐久性: フィルムよりも耐久性が高く、10年~20年の効果が持続すると言われる製品もあります。
- 傷の保護: コーティングの種類によっては、微細な傷からガラス表面を保護する効果も期待できますが、フィルムほどの高い保護性能はありません。
- 施工の難易度: 専門的な知識と技術が必要な場合が多く、一般の方がDIYで行うのは難しいことがあります。
まとめると
項目 |
窓フィルム施工 |
窓コーティング |
仕組み |
シート状のフィルムを貼り付ける。
内部、外部から施工可能。 |
液体を塗布し、薄い膜を形成する。
内部からの施工のみ。 |
見た目 |
種類によっては色味やデザインがある、継ぎ目が出来る可能性 |
ほぼ透明で、見た目の変化が少ない、継ぎ目なし |
耐久性 |
10年~15年程度(劣化による剥がれや白濁の可能性) |
10年~20年(製品による) |
形状対応 |
湾曲したガラスや複雑な形状は難しい |
どんな形状のガラスにも施工可能 |
主な目的 |
飛散防止、UVカット、遮熱、防犯、目隠し、デザイン |
撥水、防汚、UVカット、遮熱、美観維持 |
保護性能 |
物理的な保護力が高い(飛散防止、防犯) |
微細な傷から保護、防汚効果が高い |
施工 |
DIYも可能だが、プロに依頼するのが一般的 |
専門業者による施工が推奨される |
臭い |
施工中の臭いはしない |
施工中液体の臭いが室内にするので換気が必要 |
どちらを選ぶかは、窓ガラスに求める機能や、予算、見た目の好みによって異なります。
物理的な保護や目隠し効果を重視するならフィルム、透明性や長期的な美観、手入れのしやすさを重視するならコーティングが適していると言えるでしょう
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