「灸」で見出された体表面の治療に役立つ部位(経絡・経穴)は、「鍼」による刺激にも対応することが発見され、発展を見たわけである。その後「灸」療法が廃れたわけではなく、病態に対応した「灸」と「鍼」の使い分けがなされ、「鍼灸」として活用されてきた。『黄帝内経』の『素問』異法方宜論篇には、華北平野の北方より「灸」が、東方より「?石」が、南方より「九鍼=鍼」が、西方より「生薬方」が起こり、中央の「導引(気功=按摩・ストレッチ)」と合わさって、当時の医療技術を形成した伝説が記されている。その後これら鍼灸技法は、陰陽五行思想と融合し、独特の治療体系を形成していく。
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