日本は海洋に囲まれた南北に細長い列島構造であり、中緯度・温帯に位置して、アジアモンスーン圏に属しています。列島の中央部は、起伏に富んだ急峻な山岳地形の脊梁山脈となっており、豊かな森林に覆われて、美しい景観と豊饒な水資源の供給源をなしています。
同時に崩壊しやすい火山灰土に広く覆われ、河川は急流で、しかもしばしば大雨を伴う台風が襲来します。
近年は、多雨年と少雨年の降水量差が拡大傾向にある中で、洪水や渇水が発生しやすい状況にあり、森林の水源かん養機能へ期待も一層高まっているといえます。
森林の水源かん養機能は、水資源の貯留、洪水の緩和、水質の浄化といった機能からなり、雨水の川への流出量を平準化したり、あるいは、おいしい水を作り出すといった森林の働きです。
また、森林は、土砂の流出や崩壊を防止し、水供給等において大変重要な役割を担っているダムの堆砂を防ぐ働きもあります。