今月は、基本的なパスワード管理について、ご紹介いたします。
個人事業主にとって、情報セキュリティは信用と業務継続を守る上
で欠かせない要素です。特にパスワード管理は最も基本的でありながら、
被害リスクが高いポイントでもあります。たとえ事業規模が小さくても、
顧客情報や業務データが外部に漏れることは、信用失墜や損害賠償など、
重大な影響をもたらす可能性があります。
まず重要なのは、パスワードの使い回しを避けることです。
複数のサービスで同じパスワードを使っていると、
どれか一つが流出した際に芋づる式に他のアカウントまで
乗っ取られる危険があります。サービスごとに異なるパスワードを
設定することが基本です。パスワードの文字列も工夫が必要です。
短く単純なもの(例:「123456」「password」などの辞書に載っている文字列)
は簡単に破られてしまいます。
英字(大文字・小文字)、数字、記号を組み合わせた12文字以上の
強力なパスワードを使うことが推奨されます。
これらを人力で管理するのは大変なので、信頼性の高い
パスワード管理ツールの導入がおすすめです。
これにより複雑なパスワードも一括管理でき、
ログインもスムーズになります。
代表的なツールとしては、1Password、Bitwarden、などがあります。
加えて、二段階認証を有効にすることも重要です。
通常のパスワードに加え、スマホアプリやSMSで
発行される認証コードを入力する方式で、
不正アクセスのリスクを大幅に減らせます。
特に会計ソフトやクラウドストレージなど重要なサービスでは
必ず設定しましょう。
また、業務用と個人用のアカウントやパスワードは必ず分けることが基本です。
公私混同によって一方の情報漏えいが他方にも影響する事態は避けるべきです。
最後に、使用していないサービスのアカウントは定期的に見直して削除し、
不要なリスクを減らすことも忘れずに。日常的にセキュリティ意識を持ち、
こまめに対策を更新していくことが、個人事業主の安心・安全なビジネス運営
につながります。
2025.08.05