現在の整形外科領域では、大腿骨頚部骨折に対して手術を前提とした治療に重点が置かれる為、骨癒合不全や偽関節に対する有益な治療法など情報が少ない。偽関節の最も大きな障害として疼痛が手術後と比較しても優位に強い状態である。文献では概ね疼痛は1.2ヶ月で大きく改善されるとされており、痛みの程度に合わせてアイソメトリックによる筋力強化や体位変換運動はできるだけ早く行う事で予後に影響される。そして、X線写真で骨折部の仮骨様石灰形成等の出現時期が立位や歩行開始時期の予測に有用であるとの事。これらの情報をもとに、ADL回復に向けたリハビリに繋げていきたい。