一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム


特定創業支援等事業とは?

創業融資で有利になる理由と注意点を徹底解説【保存版】


創業を考え始めたとき、インターネットや創業相談の場で「特定創業支援等事業を受けると創業融資で有利になる」

という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

一方で、

「受けたら必ず融資が通るの?」「どのくらい時間がかかるの?」「本当に意味がある制度なの?」

といった疑問や不安を感じている方も少なくありません。

 

特定創業支援等事業は、正しく理解して活用すれば創業準備の質を高め、創業融資を進めやすくする制度です。

しかし、制度の位置づけを誤ると、「時間をかけたのに融資にはあまり影響しなかった」という結果になることもあります。

 

この記事では、中小企業庁が定める公式資料をもとに、特定創業支援等事業の正しい内容、メリット、注意点、そして創業融資との関係を、実務視点で詳しく解説します。

特定創業支援等事業とは何か


特定創業支援等事業とは、市区町村などの自治体が中心となり、商工会・商工会議所・金融機関・専門家等と連携して実施する国が認定した創業支援制度です。

単発のセミナーや相談会ではなく、一定期間にわたって、創業に必要な知識や準備を体系的に身につけることを目的としています。

中小企業庁の定めるガイドラインでは、特定創業支援等事業として認められるために、概ね以下のような要件が求められています。

  • 支援期間が1か月以上であること、
  • 支援の回数が4回以上であること、
  • 経営・財務・人材育成・販路開拓といった創業に必要な分野を総合的にカバーしていること

 

つまり、「きちんと準備をした創業者である」ことを、公的に証明するための制度だと考えると分かりやすいでしょう。

なぜ国がこの制度を作ったのか


特定創業支援等事業が設けられた背景には、創業後まもなく廃業してしまう事業者が少なくない、という課題があります。

創業自体はできても

  • 事業計画が曖昧だった
  • 資金繰りを十分に考えていなかった
  • 売上の見込みが甘かった

といった理由で、事業を継続できなくなるケースが多く見られてきました。

そこで国は、「創業前後に、一定レベルの準備と支援を受けた事業者を増やす」ことを目的として、この制度を全国の自治体に広げてきました。

特定創業支援等事業を受けると何が変わるのか


特定創業支援等事業を受け、要件を満たした場合、自治体から 「支援を受けたことの証明書」 が発行されます。

この証明書を取得することで、いくつかの公的制度において優遇措置を受けられる可能性があります。

代表的なものとしては、

  • 会社設立時の登録免許税の軽減や、
  • 信用保証協会の創業関連保証の特例、
  • 日本政策金融公庫の創業関連融資制度での評価材料

などが挙げられます。

ただし、ここで注意しておきたいのは、証明書を持っているだけで、創業融資が自動的に通るわけではないという点です。

公庫の創業融資で本当に有利になるのか


日本政策金融公庫の創業融資では、特定創業支援等事業の証明書は「必須条件」ではありません。

制度上は金利の優遇を受けられるなどのメリットはありますが、

実務上の位置づけとしては、創業準備の姿勢や計画性を示すプラス材料と考えるのが正確です。

公庫の審査担当者が最終的に重視するのは、

  • 事業計画書の内容
  • 売上予測の根拠
  • 返済原資の妥当性

といった点です。

特定創業支援等事業を受けていても、事業計画書が曖昧だったり、数字の根拠が弱かったりすると、融資審査では評価されません。

一方で、支援を通じて作成した事業計画がしっかりと創業計画書に反映されていれば、審査担当者にとっては「準備をしてきた創業者」という印象を与えることができます。

特定創業支援等事業の注意点


特定創業支援等事業には、メリットだけでなく、注意すべき点もあります。

まず、受講から証明書取得までに時間がかかるという点です。

多くの自治体では、1か月以上、場合によっては数か月かけて支援プログラムを実施します。

そのため、「すぐに創業融資を申し込みたい」という場合には、スケジュールが合わないこともあります。

また、支援内容は自治体ごとに異なり、形式的なセミナー中心のところもあれば、個別相談を重視しているところもあります。

「特定創業支援等事業だから必ず質が高い」とは限らない点にも注意が必要です。

特定創業支援等事業が向いている人

実務上、この制度が特に向いているのは、次のような方です。

  • 創業までにある程度時間の余裕があり、事業計画をじっくり固めたい方。
  • 数字や資金計画に不安があり、第三者のサポートを受けながら準備を進めたい方。
  • 自治体の支援制度を積極的に活用したい方。

こうした方にとっては、特定創業支援等事業は創業準備の質を高める良い機会になります。

逆に、向いていないケースもある

一方で、すべての創業者にとって必須の制度ではありません。

すでに事業計画が固まっており、自己資金や資金繰りの見通しが立っている場合や、すぐに融資を実行する必要がある場合には、特定創業支援等事業を待つことでかえって機会を逃してしまうこともあります。

この場合は、創業融資を先に進め、必要に応じて別の支援を活用する方が現実的な選択となることもあります。

創業融資とどう組み合わせるべきか


特定創業支援等事業は、創業融資の「代わり」ではなく、補助的な制度として考えるのが正解です。

実務上のおすすめは、次のような考え方です。

創業までに時間がある場合は、特定創業支援等事業を活用して事業計画を磨き、その内容を創業計画書に落とし込む。

一方、

資金調達を急ぐ場合は、特定創業支援等事業に固執せず、創業融資の準備を優先する。

いずれの場合も、最終的に重要なのは創業計画書の中身と、返済可能性の説明です。

まとめ|特定創業支援等事業は「使い方次第」


特定創業支援等事業は、受ければ必ず創業融資が有利になる「魔法の制度」ではありません。

しかし、創業準備の過程でうまく活用すれば、事業計画の完成度を高め、創業融資を進めやすくする有効な制度であることは間違いありません。

大切なのは、自分の創業スケジュールや資金状況に合わせて、制度を「使うか」「使わないか」を判断することです。

創業融資の全体像を知りたい方へ


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【商工会議所の元経営指導員、企業経営アドバイザー】 "補助金・融資に強い”経営コンサルタントです! ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にご相談ください。

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