一般社団法人 全国個人事業主支援協会

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  • 税理士に聞く前に知っておきたい!個人事業主の「経費」よくある勘違い5つ

「これって経費になる?」その判断、実は間違えていませんか?

個人事業主にとって、経費の正しい理解は節税の基本中の基本です。しかし、「なんとなく経費にしている」「逆に経費にできると知らずに損していた」というケースは非常に多く見られます。経費の誤った処理は、税務調査のリスクを高めるだけでなく、本来受けられる節税メリットを自ら捨てることにもなりかねません。今回は、個人事業主がよく陥る「経費の勘違い」を5つ取り上げ、正しい考え方を整理します。

勘違い①「プライベートと兼用のものは経費にできない」

自宅で仕事をしている場合、家賃・電気代・通信費などは「事業使用割合」に応じて按分すれば経費として計上できます。たとえば、自宅の作業スペースが全体の30%なら、家賃の30%を経費にすることが可能です。「全部プライベートだから無理」と思い込んで計上していない方は、今すぐ見直しを。合理的な根拠があれば、税務署にも説明がつきます。

勘違い②「売上が少ないから経費はあまり関係ない」

売上が少ない年こそ、経費の計上漏れが響きます。所得税は「売上-経費=所得」に対してかかるため、経費を正しく計上することで課税所得を合法的に圧縮できます。また、赤字(損失)が出た場合、青色申告をしていれば最大3年間の繰越控除が使えます。「どうせ少ない」と油断せず、きちんと記録しておくことが大切です。

勘違い③「領収書がなければ経費にできない」

領収書は確かに重要な証拠書類ですが、レシート・クレジットカードの明細・振込記録なども証拠として認められます。電子取引のデータは電子帳簿保存法のルールに従って保存する必要がありますが、「紙の領収書がないから諦める」必要はありません。支払いの事実が証明できる記録を残す習慣をつけましょう。なお、少額であっても出金伝票に記録しておくことで、領収書が出ない支払い(慶弔費など)にも対応できます。

勘違い④「交際費は全部経費になる」

個人事業主に法人のような「交際費の上限規制」はありませんが、「事業に直接関係する」ことが経費計上の大前提です。仕事上の取引先との会食や情報交換を目的とした飲食代は経費になりますが、友人との食事や純粋なプライベートの出費は認められません。税務調査で真っ先に確認されるのが交際費です。「誰と・何の目的で」をメモしておく習慣が身を守ります。

勘違い⑤「高額な設備は買った年に全額経費にできない」

10万円以上の備品・機器は原則として「減価償却」が必要で、複数年にわたって経費化するのが基本です。ただし、青色申告をしている個人事業主は「少額減価償却資産の特例」を使うことで、30万円未満のものを購入した年に全額経費にできます(年間合計300万円まで)。パソコンや業務用カメラなどを購入予定の方は、この特例を上手に活用しましょう。

まとめ:正しい知識が、最強の節税ツール

経費の判断は「グレーゾーン」に見えることもありますが、基本的な考え方は明確です。「事業に必要かどうか」「客観的に説明できるかどうか」、この2点を軸にすれば、大きく判断を誤ることはありません。怪しい節税テクニックを探すより、日々の記帳と正しい経費処理を習慣化することが、長期的に最も効果的な節税につながります。

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