ここまでお話をして気づいた方もおられます。
「あれ?結局、一生、健康貯金を貯め続けないといけないんじゃないの?」
そうなんです。実は本当に伝えたいのはそこなんです。
いくら、一時期ものすごく頑張って健康に気を使っても、それを中断したら元に戻ってしまうのです。一番大切なのは生涯にわたって、地道でいいので健康に気を遣い続けるということです。
そして、各段階において、健康貯金をためる目的や手段が少しずつ違うのでそこを知って欲しかったんですね。
一生、ケア・運動・休息のバランスを考えていかないといけないのですが、唯一の例外はあります。
それは天寿を迎えようとされている方ですね。触ってると分かるのですが人には生命力の波のようなものがあって、その頃になると湧き出る生命力の源泉がどんどん乏しくなるかと思ったら、また勢いを盛り返す感じがあって、それを繰り返しながらついに天寿を迎えられる感じがあります。
結局のところ、その生命力をコントロールすることは出来ないので、段々と調子が悪くなって、出来る事も限られて、効果も出にくくなっても、また元気を盛り返すことを信じて、出来るケアをするんですね。
でもいよいよかなという時は「ここで頑張ったら、また盛り返せるだろうから頑張って欲しい」という想いと「もうここまでずっと頑張ってきたから、これ以上頑張れというのは酷なのかなあ」という想いで葛藤が生まれますね。
こればかりは仕方ないとはいえ、無力感を感じる時ですね。
ちょっとしんみりした話になってしまいましたが、基本それ以外の場合、いくら高齢の方でも、出来るだけ身体を動かしてもらいます。逆にいくら高齢の方でも、しっかりと整えて、出来る運動をしていけば、諦める必要はないんですね。
健康寿命という言葉がありますが、自分の身体でどれだけ自由に動いていられるかがとても大切になり、そのためにはケアもして、運動もして、休息もしてもらわないといけなんです。
お金の貯金だと、がっぽり稼いでがっぽり貯めて、あとは貯金を切り崩したり資産運用してその利益で食べていくことが出来ますが、健康貯金が決定的に違うのはそこまでは貯められず、常にコツコツ健康を稼いでおかないといけないところです。
ただ、人間の身体は良くできているので、多少さぼっても大丈夫です。大切なのはさぼってもまた思い出して、少しずつ健康貯金を再開することです。運動なども一度中断するとそのままやめてしまう事も多いと思いますが、さぼってもいいから、思い出したら再開する。これが意外と一番大事なんです。
またある程度、健康な身体でいるとよっぽど無理しなければ、多少さぼっても大丈夫です。正確に言うと、一時的にめちゃくちゃ無理する事よりも、耐えられる無理を長時間続ける方が身体に害を及ぼします。人生においていろんなイベントが重なって、どうしても無理しないといけない時はありますが、短期間なら今までのたくわえがあれば大丈夫!でももし長期戦になりそうな時はやはり整える時間、鍛える時間、休める時間を作って欲しいんですね。
前回お話した「身体を整え、身体を鍛え、身体を休める」を心の片隅に留めておいてもらって、アクティブで楽しい生活を送ってもらいたいなと思います。