一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 新NISA制度開始へのカウントダウン: 投資信託の疑問を解明

新しいNISA制度の開始が迫る中、新たな投資信託の登場や信託報酬の引き下げ競争が活発化しています。この変化の中で、多くの投資家が抱える疑問について、詳しく解説しましょう。

1、分配金を出さない投資信託の影響

   分配金を出す投資信託は、その資産を取り崩して分配するため、基準価額が下がります。これは短期的には魅力的かもしれませんが、元本の増加が難しく、値上がり益のチャンスを減らします。一方で、分配金を出さない投信は元本が増えやすく、長期的な複利効果を享受しやすいです。つまり、長期保有を考える投資家には、分配金を出さない投信が適している可能性があります。

2、テーマ型投信の魅力とリスク

   テーマ型投信は、特定のトレンドやテーマに沿った投資を行います。これらは短期的には大きなリターンを生む可能性がありますが、ブームが去ると価値が落ちるリスクもあります。賢明な選択としては、あまり狭いテーマに限定されていない、または将来的に再び価値が上昇する可能性のあるテーマを持つ投信を選ぶことが重要です。しかし、これは投資選択として難易度が高いことを認識する必要があります。

3、信託報酬の低い投信への乗り換え

   同一指数に連動するインデックス型投信の中で、後発の製品が信託報酬が低い場合、乗り換えを検討するのは理にかなっています。ただし、新NISA開始を控えた現在、信託報酬の競争が激しくなっていますが、この差はそこまで大きな影響を与えない場合もあります。つまり、信託報酬だけに囚われず、他の要素も考慮に入れるべきです。

4、リバランスの必要性

   リバランスは、投資の初期段階で設定した資産配分を維持するための手法です。市場の変動によって資産配分が崩れた場合、リスクをコントロールしリバランスをとることは有効です。ただし、これには一定の負担が伴うため、頻繁なリバランスは必要ない場合もあります。

5、売却のタイミング

   売却のタイミングは非常に難しい問題です。特定のニーズ(例えば教育資金や住宅資金)がある場合、その資金が必要になる前に段階的に売却を行うのが理想です。これにより、市場の低迷時に不利な価格で売却するリスクを避けることができます。一方、単発での投資の場合は、価格が20% 上昇したら利益確定を考えるのも一つの戦略です。しかし、長期的な投資としての投信積立の場合、売却を急がずに複利効果を最大限に活用するのが一般的には望ましいです。損益がマイナスの場合には、価格が半減した時点で売却を検討することも重要です。市場の変動は予測が難しく、計画的な売却戦略が重要となります。

6、ETFと投資信託の選択

   ETF(上場投資信託)と通常のインデックス型投信の選択は、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で行う必要があります。ETFは一般に低コストで、市場価格で即時に売買が可能です。これは頻繁な取引を行う投資家に適しています。しかし、ETFでは定期的な定額購入や分配金の自動再投資が難しいという欠点もあります。これにより、長期的な複利効果を得るのが難しくなる可能性があります。一方で、通常のインデックス型投資信託はこれらの点で有利です。投資スタイルや目的に応じて、どちらを選ぶかを検討することが重要です。

7、投資信託の純資産額と基準価額の関係性

多くの投資家が疑問に思うことの一つに、投資信託の純資産額が増加すると基準価額も上がるのかという点があります。一見すると、多くの資金が投資信託に集まることで基準価額が上昇しそうに感じますが、実際のところはそうではありません。純資産額の増加自体が直接的に基準価額の上昇に結びつくわけではないのです。投資信託が人気を集めて多くの投資家から資金が集まる状況が発生しても、この事実だけでは基準価額に影響を及ぼすことはありません。では、基準価額が上昇する主な要因は何でしょうか?基本的には、投資信託に組み入れられている資産、例えば株式や債券の価格が上昇した場合に基準価額は上がります。これは、投資信託の資産価値が増加することを意味しており、結果として基準価額の上昇につながります。また、投信が保有する資産から配当金や金利などの収入を得た場合も基準価額の上昇要因となります。これらの収入は、投資信託の資産価値を高める効果があり、それが基準価額の増加に反映されるのです。逆に、投資先の資産価格が下落した場合や、分配金の支払いが行われた場合は、投資信託の資産価値が減少し、それが基準価額の低下に繋がります。このように、基準価額の動きは投信が保有する資産の価値変動に密接に関連しており、純資産額の増減とは直接的な関係はありません。投資家としては、投信選びの際に純資産額の大きさに惑わされず、むしろその投資信託がどのような資産に投資しているのか、そしてその資産の価値がどのように変動しているかを理解することが重要です。これにより、より効果的な投資戦略を立てることが可能となります。

以上のように、新しいNISA制度の開始に向けて、投資信託に関するこれらの重要なトピックを考慮することが投資家にとって重要です。賢明な投資決定を下すためには、これらのポイントを理解し、自身の投資目的やスタイルに合わせて適切な選択をすることが求められます。投資はリスクを伴いますが、適切な知識と戦略をもって臨むことで、そのリスクを管理し、長期的な利益を目指すことが可能です。

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東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

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