一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • BOOKレビュー「お金2.0」

少し古いですが、2017年11月に出版された「お金2.0 ~新しい経済のルールと生き方~(幻冬舎)」のブックレビューを書きたいと思います。

著者は、金融事業を中心に展開する株式会社メタップス創業者である佐藤航陽さん。
この本では、これまでの「資本主義」から、新しい時代の経済の仕組みとして「価値主義」を提案しています。

まず資本主義とは「お金」というものを中心に回っている社会です。そもそもお金とは、物々交換の不便さを解消するために、効率的にやりとりしたり評価したりするために生まれたものです。価値という漠然としたものを扱うための道具でした。しかし本来は、世の中の人が価値があると考えるのでお金になっていたはずが、いつしか世の中の人が感じる価値と関係ないところでお金だけが増えるようになりました。消費経済で生み出されるお金は1割、残りの9割は金融経済で生み出されているそうです。

行き過ぎた資本主義でお金が本来の価値を離れてしまい、顕在化した欠点を補うあり方として出てくるのが「価値主義」です。お金では得られにくい、信頼、時間、個性、共感などの価値が相対的に高まる社会、経済システムです。

その背景には、お金一辺倒への揺り戻しに加えて、かつては測定・交換できなかったこうした価値が、テクノロジーの進歩でできるようになったことがあります。

実際に、企業の財務諸表には表れない「社会全体にとってポジティブな価値を生んでるかどうか」が消費者や投資家から選ばれる指標として重要になっています。

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笠井 篤

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